2021.03.30
新規事業の基礎知識

#26起業の方法 ~ここは外せない、起業準備でやるべきこと~

起業したい。でも資金調達や法人設立手続きをどう進めたらいいのかわからない―そんなお悩みを持つ方に、起業前に準備しておくべきポイントをご紹介します。

起業とは?

起業とは、文字どおり「自ら事業を起こす」こと。大きくは会社を立ち上げて起業するケースと、個人事業として起業するケースに分かれます。会社であれば法人登記など諸々の手続きが必要ですが、個人事業主はそういった制約が少なく、比較的気軽に始められることも特徴です。それまで会社に務めていた人が起業して感じるいちばんの変化は、「会社の制約がなくなる」ことだと言われています。金銭面も自分の裁量で決めることができるので、事業の利益が収入に直結し、頑張り次第で収入を増やすことも可能です。

「起業」について詳しくはこちらをご覧ください>>これだけは押さえておきたい、起業のポイント

 

起業する前に考えるべきこと

起業の目的(なぜ起業したいのか)
起業の際、しっかりと考えておきたいのが「起業の目的」です。法人であっても個人事業主であっても、起業には通常、それなりの苦難があります。自分はなぜこの事業がやりたいのか。ひとりになってでもやりたい事業なのか。自分自身に問い直すことをおすすめします。

どのようなビジネスをやるか決める

  • 起業のビジネスアイデア・ネタを見つける
    起業を始めるにも、どのようなビジネスをするのかというアイデアがなければ始まりません。起業のビジネスアイデアは日常生活や普段の仕事から生まれやすいといわれています。また、世の中にある課題を解決するソリューション提供や、既存の商品・サービスに改良を加えるなど、日常の観察眼や「社会や人の役に立ちたい」という想いがきっかけになることも少なくありません。自分が持っている資格や趣味を生かした起業も、数多くあります。
「起業アイデア」について詳しくはこちらをご覧ください>>「起業」を始めたいあなたへ  ~ビジネスアイデアの見つけ方・まとめ方~
  • 誰に売るかを決める
    ビジネスをするためには、つくり出した商品・サービスを誰かに販売し、対価を得る必要があります。ターゲットは業種や職種によりさまざまですが、起業して間もない頃は知名度が低いことが多く、それまでの取引先や友人・知人の紹介で販売先を獲得し、信用を得た後に販売先を拡げたり、規模を拡大したりすることが多いようです。※
※出典:「2020年度起業と起業意識に関する調査」(2021年3月:日本政策金融公庫総合研究所調査)
  • ビジネスモデルを考える
    ビジネスを始めるためには、最適なビジネスモデルを検討し、整理しておくことが大切です。ビジネスモデルとは「誰にどのような価値を提供し、どのように売上や利益を生み出すのか」という仕組みを指しています。ビジネスモデルを整理するためのフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」があります。9つの項目から自らのビジネスアイデアを整理することで、「力を注ぎ込むべきこと」や「顧客に対してするべきこと」などが見えてきます。なお、ビジネスモデルはつねに変化し、進化し続けるものなので、折を見てアップデートしていくことが重要です。
(ビジネスモデルキャンバスのイメージ図)

 

最初にしっかり計画を立てることが成功への道

事業計画とは
事業計画とは文字通り事業の実行計画のことです。これから行う事業のビジョンや戦略を定め、いかに顧客を獲得し、収益を確保するのかなどを検討します。事業計画を文書にまとめたものが「事業計画書」です。「事業計画書」に定められたフォーマットはありません。ただし事業の全容を可視化し、事業に携わる関係者が事業の全容を理解できること、金銭面での計画が具体的かつ明確であることが求められます。

「事業計画書」があれば、資金調達もしやすい
「事業計画書」は起業家が方向性のブレなく事業を実行するために必要な文書であり、資金を調達したり、協力者を募ったりするときにも力を発揮します。一般的に、金融機関や投資家はもちろん、協業先や社外協力者への説明も「事業計画書」をベースに行います。

「事業計画書」を作るなら、「StartDash」
「事業計画書」に何をどのように記載すればよいのか判断に迷うことが多く、作成には時間がかかります。初めての起業では、この事業計画書の作成が大きな壁となることも多いようです。そのような方に、事業化支援Webアプリ「StartDash」の活用をおすすめします。チェックリスト形式の質問に回答していくだけで「事業計画書」を自動作成する機能を用意しています。

 

起業資金を調達する

事業にいくらかかるか算出する
ビジネスはお金の流れで成り立っており、起業の成功には、しっかりとした資金計画が求められます。資金計画は起業前・起業後に分けて考えます。

  • 【起業前の資金例】
    起業前には、おもに「設備資金」と「運転資金」が必要だといわれています。「設備資金」とは、事業を始めるために必要な事務所・店舗費用や内装・外装費用、オフィス関連の備品や店舗・工場関連の機械類、必要であれば車両費などが含まれます。
    一方、「運転資金」は、商品・サービスをつくり出すために必要な仕入れ費用・原材料費、事務所や店舗の賃料、人件費、外注費、広告宣伝費などです。
    一般的に、「設備資金」は起業時にまとまった金額が必要とされ、自己資金などでまかなうことも多いようです。また、起業時点での「運転資金」はおよそ6か月分程度が目安とされています。
  • 【起業後の資金例】
    起業後は「運転資金」を安定して回していくことがポイントです。「運転資金」は売上に関係なく毎月必ず発生する「固定費」と、売上により変動する「変動費」に分けて管理します。また、「運転資金」は支払い条件により経営に大きな影響を及ぼします。例えば、売掛金の回収が翌月末や翌々月末なのに、仕入れの支払いが今月末だとすれば、1~2か月のタイムラグが発生し、資金不足になるかもしれません。取引先と契約を交わす際は、この点も考慮しつつ条件を詰めていくことが重要です。人材の雇用や、広告宣伝を行う場合には、さらにまとまった「運転資金」が必要になります。

起業資金の調達先

  • 自己資金でまかなう
    日本政策金融金庫総合研究所が起業家に実施した調査※では、7割以上の人が自己資金だけで起業資金をまかなっています。この調査内容からも、ビジネスアイデアを練るのと同時進行で起業資金を貯めることが重要であることや、自己資金を大きく超える起業には慎重な人が多いことがわかります。
※出典:「2020年度起業と起業意識に関する調査」(2021年3月:日本政策金融公庫総合研究所調査)
  • 銀行・信用金庫から融資を受ける
    企業では、都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合などをメインバンクに持ち、そこから融資を受けることが一般的ですが、起業したばかりの法人や個人事業主に都市銀行が融資する事例はあまり多くないといわれています。しかし地域密着型の地方銀行や信用金庫・信用組合の中には、創業間もない企業や個人向けの融資などを行っているところもあります。起業後はこうした金融機関のどこかをメインバンクに定めると、融資や資金繰りの相談にも乗ってもらえる可能性があります。
  • 制度融資を受ける
    制度融資とは、都道府県・市町村などが起業家や個人事業主向けに取り扱う融資制度です。金利が固定されていたり、利子補給を受けることができたり、返済の据え置き期間が認められているなど、一般的な金融機関に比べて借主に有利な条件で融資を受けることができます。ただし、行政・金融機関・信用保証協会が関わっているため、相談から融資までに時間がかかるので、計画性を持って利用する必要があります。
  • 公庫融資(日本政策金融公庫)
    日本政策金融公庫は政府が100%出資する政府系金融機関で、起業家や個人事業主向けに多種多様な貸付制度を実施しています。金利が低めに設定されており、貸付期間や据え置き期間が長いなど、民間金融機関にはないメリットがあります。融資を受けるには、しっかりとした事業計画書の提出が求められます。
  • 助成金・補助金
    助成金・補助金とも、行政や民間団体などが特定の目的のために資金を給付する制度です。原則として返済が不要のものが多い代わりに、融資の目的が特定の取り組みに限定されており、取り組み内容や取り組み結果の報告が必要です。また、募集期間や募集要件などが細かく定められていることがあります。自治体以外にもさまざまな業界団体や政府系機関などが実施しています。
  • クラウドファンディングという方法も
    「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、インターネットで自分が提供したい商品・サービスを公開し、不特定多数の人から広く資金を募る方法です。起業の内容に共感し「応援したい」「試してみたい」と思った人は誰でも支援できるのが特徴といえます。
    クラウドファンディングのプラットフォームを一から開設するには相応の労力とコストを必要とするため、すでに世の中にあるクラウドファンディングのサービスを利用するのが一般的です。

 

起業の手続きをする

【個人事業主の場合】税務署に開業を届け出る
個人事業主の場合、起業1か月以内に税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。届出先は、原則として自宅のある住所地の税務署です。
国税庁のサイトからダウンロードできます。

【法人の場合】①定款の認証
定款とはその会社の憲法のようなもので、「目的」「商号」「本店の所在地」「設立に際して出資される財産の価額またはその最低額」「発起人の氏名または名称及び住所」を必ず明示しなければなりません。定款は公証役場の公証人によりチェックを受け、認証されます。

【法人の場合】②法務局で登記
法人の設立登記は、本店所在地を管轄する法務局などに申請します。設立登記の申請には、「株式会社設立登記申請書」「定款」「設立時取締役の就任承諾書」「取締役の印鑑証明書」「印鑑届出書」などの書類が必要です。また、登録免許税も必要です。

【法人の場合】③税務署へ届出
本店所在地を管轄する税務署に、「法人設立届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」を提出します。

【法人の場合】④社会保険に関する手続き
起業すると、年金保険や健康保険などの手続きも自身で行う必要があります。法人の場合は年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出します。

 

起業のタイミングは?

経営リソースには「人、モノ、金」があるといわれていますが、そのすべてが揃ってスタートする新規事業は実はさほど多くありません。例えば、ビジネスアイデアがあり、ノウハウも持っているけれど、事務所や設備を用意する資金がない。あるいは、現場で動いてくれるスタッフにいい人材が見つからない、など、リソースが揃わない事例は山のように存在します。起業する際に、すべてが揃うタイミングを待つのではなく、最低限必要な要素だけを揃えて小さくスタートするやり方もあります。
事務所を借りる資金がなければ自宅の一室で始めたり、人を雇えるようになるまでは企画・営業・商品提供・経理をすべて自分や家族で担当したり、スタートの工夫は多種多様です。また、いきなり法人登記するのではなく、最初は個人事業から始めて軌道に乗ったら法人化するのもよくある手法です。法人化のタイミングには、従業員を雇ったとき、大手企業と取引が始まるとき、銀行から融資を受けるときなどが挙げられます。

 

起業方法まとめ

「StartDash」なら、起業でやるべきことが分かって準備がスムーズ!
起業にはさまざまなプロセスが必要で、時には何から手をつければよいのかわからなくなることもあります。無料の事業化支援Webアプリ「StartDash」は、起業に必要な項目を整理し、事業計画書の作成をスムーズに進められます。ぜひご活用ください。

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Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から7年間で、60件以上の事業化検証、17の事業を創出(2021年3月末時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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