2021.10.29
Sony Startup Acceleration Program 新規事業の基礎知識

#38先の読めないVUCAの時代、 「OODAループ」で迅速な判断を!

テクノロジーの急速な発展や地球環境の変化、パンデミックなどが起こり、不確実性が高まっている現代。VUCA(ブーカ)と呼ばれるこの時代、ビジネスにおいて注目を集めている思考法があります。それが、迅速な意思決定や判断力を高めるという「OODA(ウーダ)ループ」。そのプロセスや効果的な活用方法を解説します。

今はまさに、「VUCAの時代」

最近よく耳にする「VUCA」という言葉。Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雜性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、それぞれの言葉からもわかる通り「変化が激しく先行きが不透明で、未来の予測が困難な状態」を指します。
もともとは米ソ冷戦直後に軍事戦略が不透明化する中で生まれた軍事用語でしたが、2016年に開催された「世界経済フォーラム(ダボス会議)」で「VUCAワールド」という言葉が使われたことをきっかけに、混沌とした現代の社会情勢を指す言葉として定着しました。
ITをはじめとするテクノロジーの急速な発展や、グローバル化に伴う価値観の変化、世界的な気候変動、そして新型コロナウイルス。いま私たちは、これまで経験したことのないさまざまな出来事や課題を抱え、まさに先が読めない「VUCAの時代」に直面しています。

「VUCA」について詳しくはこちらの記事もご覧ください>>#36VUCAの時代を生き抜くために企業や私たち個人には、どんな力が必要か?

 

VUCAの時代、企業や私たちはどうあるべきか

不確実性の高いVUCAの時代においては、これまで通用していた常識や価値観が通用しない局面が多く生じます。例えば日本の雇用を見ても、少子高齢化や働き方の多様化により、かつての年功序列や終身雇用の制度はすでに当たり前ではなくなっています。
ビジネスにおいても、業界の概念を覆すビジネスモデルやイノベーションが次々に登場。個人の余っている部屋と旅行客を結ぶ新たな宿泊モデルをつくりだしたAirbnbや、一般の人が運転手となりタクシーのように利用できるUberなどがその代表例です。

◆ 多様な視点を持ち、新規事業創出に挑戦
こうした状況に対応するために、企業や組織はこれまで通りのやり方を続けるだけでは不十分といえます。今の時代に求められるのは、刻一刻と変化する時代の潮流を的確に捉え、固定観念にとらわれない多様な視点や考え方を持つこと。そこから生まれるアイデアが、未来を拓くイノベーションや新規事業の種になるかもしれません。

◆ 判断力に長けたリーダーシップを
また、組織が新たな挑戦を進めるためには、VUCAの時代に適した人材が欠かせません。複雑化した状況の中でもビジョンをクリアに描き、迅速な判断と行動力で組織を的確に導いていくリーダーシップを備えることが、VUCAの時代に求められる一つの人物像です。

「VUCA時代」のリーダーシップとは?詳しくはこちらの記事もご覧ください>>#37一人一人が身につけたい、VUCA時代のリーダーシップとは?

 

VUCAの今こそ身につけたい「OODAループ」とは?

こうしたVUCAの時代に、危機感を持つビジネスパーソンたちの間で「OODA(ウーダ)ループ」という思考法が注目を集めています。

◆ なぜ今、OODAなのか
OODAループは、迅速な判断力と行動力を高めるために有効とされる思考法です。考案したのはアメリカ空軍の戦闘パイロットであり、航空戦術家でもあるジョン・ボイド氏。混沌とした戦地の状況下でも迅速に意思決定を下し、的確な行動に移すために考えられたという背景があります。
戦地と比較するのはやや極端ですが、刻一刻と情勢が変わり、先が見えないという点は現代のビジネスにも通じる部分。戦闘パイロットの思考・行動パターンを参考にすることで、ビジネスにおける考え方や取り組み方のヒントが見つかるかもしれません。

◆ PDCAサイクルと何が違う?
ビジネスの有名なフレームワークとしては、計画を立てその評価と改善を繰り返す「PDCAサイクル」があります。OODAループがPDCAサイクルと大きく異なるのは、PDCAが「計画とその改善」を基本とするのに対し、OODAは「その時々の状況に対応すること」を重視しているという点です。仮説が立てやすく、時間的なゆとりがある状況ではPDCAが機能しますが、目まぐるしく状況が変わる(=そもそも計画が立てづらい)予測不可能な状況下では、OODAが有効だと考えられます。

 

「OODAループ」の4つのプロセス

それではOODAループの具体的なプロセスについて、OODAの頭文字である4つのキーワードを紐解きながら見ていきます。

◆ Observe(観察)
OODAループは、市場や顧客といった対象物をしっかり観察することから始まります。目の前にあるものを見つめ、“生きた情報”をより多く集めます。その際、視点の偏りや個人の意見に左右されない、客観的な情報を集めることが重要です。

◆ Orient(状況判断)
orientという言葉には、「方向づける」といった意味があります。OODAループにおいては、収集した情報をもとに現在何が起こっているのか・どういった状況にあるのかを分析し、今後にむけた方向性を定めるプロセスのこと。提唱者のボイド氏はこのプロセスを「Big O(ビッグ・オー)」と呼び、特に重視しています。

◆ Decide(意思決定)
方向性が明確になったら、具体的な方針やアクションプランを決定します。考え得るだけの選択肢を挙げ、その中から最良と思われるものを選択します。

◆ Act(実行)
決定したプランを実行に移します。しかし、OODAループはここで終わりではありません。実行した結果として現状がどうなったかを再び観察し、OODAのプロセスを繰り返して(ループさせて)いきます。

 

「OODAループ」を実践するために

このようにVUCAの時代にこそ有効なOODAループですが、組織によっては実践が難しいと懸念されることもしばしばあります。実践に向けたポイントとしては、例えば下記のようなものが挙げられます。

◆  一人一人が自律性を持つ
パイロットの思考パターンがベースになっていることからもわかるように、OODAループは“個人”の迅速な判断を高めるための思考法です。そのため、OODAを実践する一人一人がその自覚を持ち、自立性をもって取り組むことが求められます。逆に言えば、個人の判断力や意思決定力が欠けていると感じる組織にとっては、OODAループの導入が大きな成長へつながると期待できます。

◆ まずは小さなグループやチームから
大規模な組織や企業の場合、個人の裁量が重視されるOODAループを取り入れることで、組織としての統制が取れなくなるのではという懸念もあります。本来的には、ビジョンや目的が組織内で共有されていれば大きな破綻は生まれませんが、組織全体にOODAの考え方が浸透するまでは困難が伴うかもしれません。まず小さなプロジェクトチームや部門単位で実践し、徐々に理解を促していくのも一つの方法です。

◆ サーバント・リーダーがいるとうまく行く
サーバント・リーダーとは、強い支配力でチームを仕切るリーダーではなく、相手に奉仕し、後押ししながら導いていく支援型のリーダーのことです。メンバーそれぞれの自律性を信用し、裁量を与えるスタイルのリーダーシップは、OODAループと相性が良いと考えられます。

 

迅速な判断力と行動力で、新規事業開発を目指そう

VUCAの時代にOODAループが注目されるのは、一人一人が迅速な判断力と行動力を身につけることで、変化の激しい不確実な時代を生き抜くためであることが分かりました。そしてその判断力と行動力こそが、新規事業を生み出すベースとなります。これからの人材育成においては、OODAループのように個人の自律性を高めていくプログラムが効果的だと言えます。

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