2021.03.27
Sony Acceleration Platform 新規事業の基礎知識

若手にこそ経験させたい! 「新規事業開発」を通じた育成プログラム

若手社員の早期活躍は、企業が活性化するための重要な要素となりえます。しかし若年世代の早期離職等の「会社離れ」が続く今、若手社員の人材育成は多くの企業が抱える共通の課題だと言われています。次世代の人材育成にお悩みの企業に向け、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は「新規事業開発」を取り入れた人材育成プログラムをご提案します。

何が課題? 各社が苦戦する若手の人材育成

新卒社員の3年以内離職率は約3割
「最近の新人は打たれ弱い」「プライベート重視で仕事への意識が低い」「上司や同僚とのコミュニケーションに消極的」……。いわゆる「ゆとり世代」が社会人になった2010年頃から、若手や新入社員に対するこうした声が聞かれ始めました。厚生労働省が毎年発表している調査によると、入社3年以内の新入社員離職率(大卒)は過去10年間、30%台を推移しています(※)。世代によって社員の特徴や傾向が異なるのは当然ですが、なぜ今なお、若手の育成はここまでの課題となっているのでしょうか。

※出典:「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

失敗へのおそれが、成長への妨げに

その要因としてしばしば言及されるのが、「困難や失敗へのおそれが大きい」という若年世代の特徴です。厳しい指導や競争を避ける教育が主流だったために、できないことや間違いを指摘されることに慣れていない傾向がみられます。上司はそうした若手のマネジメント方法がわからず、そこで生じるディスコミュニケーションが人材育成をより困難なものにし、常態化してしまっていると考えられます。
さらに失敗へのおそれは、新しいことへのチャレンジにも影響します。若手社員が挑戦しない/できない状況が続けば、会社全体の成長にとってもマイナスになる可能性も大きいでしょう。

社会や人の役に立ちたい気持ちは強い
一方で、若手層は情報収集力にすぐれ、社会課題への関心や人の役に立ちたいという想いの強さも持っています。また、日本能率協会が2022年に行った意識調査では、新入社員自身が自分にとって効果的だと思う育成方法は、「試行錯誤させながら、上手くいかない経験を通じて学ばせる」と回答した人が約57%に上っています(※)。

自分にとっては、どのように育成してもらうことが効果的だと思いますかについて「試行錯誤させながら、上手くいかない経験を通じて学ばせる」と回答した割合が約57%であった
※出典:「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2022」(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

失敗へのおそれやコミュニケーション力などのネガティブな面を克服することも重要ですが、こうした強みや意識に応える育成プログラムを用意することも、若手のやる気を高め、成長につなげるための解決策となるでしょう。

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これからの若手社員に必要な力と、その育成方法とは

若手社員が身につけるべき3つの力
若手層の特徴や傾向を捉えたうえで、一般的に育成において高めていきたい力として挙げられる「業務遂行力」「関係構築力」に加え、SSAPでは困難な状況を乗り越える力として「修羅場力」を挙げています。

  • ①最後までやり遂げる「業務遂行力」
    業務を遂行するには、諦めないというマインドセットだけでなく、事業計画を立てるノウハウや経営陣へのプレゼンスキル、事業全体を俯瞰した判断力など、ビジネススキルも求められます。
    また、新入社員には失敗をおそれる気持ちが強いと諦めやすく、最後までやり抜くといった経験が少ないと言われる反面、何かをやり遂げる感動体験を一度でも得ることができれば、モチベーションは大きく変わるでしょう。
  • ②周囲と協業して物事を進める「関係構築力
    ビジネスにおいて求められるコミュニケーション力とは、気の合う仲間と共感し合うことよりもむしろ、専門分野や意見の異なる相手と一つの目標に向かっていかに協業できるかという力です。10代からSNSを通じたコミュニケーションが当たり前だった若手社員は、自分の知らない/好まない相手やコミュニティとの接触に敏感で、過度に避けたり苦手意識を持ったりする場合もあると言われています。世代や業界の異なる人たちと協業する機会を増やし、その中でコミュニケーション能力を高めていく環境づくりが必要になります。
  • ③困難な状況下を乗り切る「修羅場力」
    遊びや学びから危険を排除されることに慣れている世代だと言われているので、予期せぬ事態や状況に陥った際、自分から解決策を探して乗り切ろうとする意識が乏しい傾向があります。しかし仕事の現場において、想定外の出来事が起こるのは当たり前。精神的なタフさを持ち、困難に向き合い、臨機応変な発想もしながら乗り越える「修羅場力」が必要です。

「新規事業開発」を通じて、3つの力を同時に養う
こうした力を養うための研修には様々なプログラムが考えられますが、もっとも効果的に、かつ3つの力を同時に養う方法としておすすめしたいのが「新規事業開発の実践」です。新しい事業を構築し、社内承認を経て実行に移すというプロセスの中には、困難な課題への対応やプロジェクトの進行管理、アイディエーションや論理的思考、企画力、そして社内外との連携など、人材育成に求められる要素が凝縮されているからです。
若手社員にはまだ早いとも思われるかもしれませんが、事業に関わる大きなプロジェクトに主体的に参加することで得られる成功体験・感動体験は、「社会の役に立ちたい」という想いが強い若手社員の大きなモチベーションにもなります。

プロジェクトにおける支援体制が、成功の鍵になる
「新規事業開発の実践」を取り入れた若手社員の育成で重要なのは、しっかりとサポートできる体制を整えておくことです。試行錯誤をして成長したいという想いを持ちながらも、失敗をおそれる傾向にある若手層。ノウハウやガイドを与えず「とにかくやってみて」という従来のような挑戦のさせ方は、この世代には向かない場合もあるでしょう。逆に、論理的なアドバイスや知見があれば素直に取り入れる傾向があるので、飛躍的な成長へとつながる可能性が大きくなります。

<コラム> 多くの企業で、新規事業を起こせる人材不足が課題に

「新規事業開発を担える人材」というのは、時代に応じた急速かつ柔軟な変革が求められる現代において、多くの企業が最重要視するテーマの一つ。その背景には若手社員の課題だけでなく、これまで事業開発を経験してこなかった中堅層や上司が若手を指導できないという深刻な状況があると言われています。その観点からも、若手のうちにこうした経験を積み、後輩や部下に教えられる体制や環境を築いていくことが重要です。

 

 若手の力を引き出す! SSAPの“実践型”新規事業開拓プログラム

事業創出と人材育成が融合したSony Startup Acceleration Program(SSAP)
Sony Startup Acceleration Program(SSAP)では、新規事業開拓を担う若手人材を育てるための多彩なプログラムをご提供しています。これは、SSAPが社内の起業家人材の育成のために行っていたトレーニング(研修)を、社外向けにカスタマイズしたもの。起業ノウハウや組織づくり、評価制度の導入など、ソニーがこれまでに蓄積してきたノウハウをもとに新たなビジネスの創出をサポートし、同時に企業ごとの課題に合わせた人材育成を行います。

実践を通じた成長の場で、若手社員が飛躍的に成長
SSAPの大きな特徴は、レクチャー型の研修ではなく、実際に新規事業開拓を行いながら人材を育成する実践型プログラムであること。「学んでから実践へ」というこれまでの流れから、「実践しながら学ぶ」という育成方法にシフトすることで、質の高い成長と事業の可能性拡大が同時に期待できます。
一般的なOJTとは異なり、専門のアクセラレーターが講師として支援をさせていただくので、新鮮なノウハウや考え方が学べます。

事業構築の全体像と具体的な方法を、一気通貫で学べます
SSAPには、アイデア創りから商品化、事業運営、販売・事業拡大まで一気通貫で支援する仕組みが整っています。実践しながら学ぶので、概要を把握するだけでなく具体的なスキルを学べることも大きなポイント。顧客視点のビジネスモデル仮説検証方法や、スケジュール管理、上司へのプレゼン方法など、現場ですぐに役立つ力がしっかり身に付きます。

1回だけで終わらない持続的な組織づくりが目標
プログラムにより、社内で新規事業開発を持続的に行える人材の育成が可能です。事業アイデアの評価方法、運営体制構築など、新規事業組織を開発するためのノウハウを提供するほか、ビジネスコンテストの企画・運営支援も可能。人材育成という観点からはもちろん、社内起業が起こせる土壌づくりという観点からも多くのメリットがあります。

中長期型から単発まで、多様なプログラムをご用意
企業ごとの課題に合わせ、最適なプログラムをカスタマイズしてご提供します。新規事業開発プロジェクトに伴走する中長期型から単発の集合研修まで幅広く対応できますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

 活用例のご紹介

【活用例①】アイデアと人材を評価・発掘する「オーディション」の実施サポート
新規事業アイデアを募るオーディションの企画・運営をSSAPが支援します。オーディション開催のノウハウをご提供し、ご要望により審査員の派遣も可能。選考プロセスに社員投票を入れ、社員全体を巻き込むことで、社内でのイベント認知度向上や社内風土の醸成にも寄与します。

【活用例②】参加人数や目的に合わせたワークショップの開催
10~30名ほど少人数研修から、100名ほどの集合研修まで、SSAPの講師がご希望のテーマに沿ったトレーニングを実施します。新規事業開発プロジェクトに取り掛かる前に、こうした単発のワークショップを実施することもおすすめです。オンライン開催にも対応していますので、ご都合や条件に合わせてご相談ください。

  • 支援プラン1 顧客・価値設計トレーニング
    徹底的な消費者視点で、ビジネスアイデアの顧客像と提供価値を仮説設定するためのコース。ビジネスアイデアの骨子をまとめる力が身につきます。(コマ数:1回/期間:1日間)
  • 支援プラン2 ビジネスモデル構築力トレーニング
    ビジネスアイデアをブラッシュアップするためのコース。ビジネスモデルキャンバスの検討、数値計画の策定、ピッチに向けた準備を含め、アイデアを磨き周囲に伝える力が身につきます。(コマ数:5回/期間:5日間)
  • 支援プラン3 商品企画トレーニング
    ソニーの商品企画担当者が提案する、コンスーマー向けビジネス企画に特化したトレーニングです。商品企画の基本的な考え方を、ソニーの商品事例に基づいて紹介します。(コマ数:5回/期間:5日間)

さらに詳しいサービスメニューをご紹介しています
上記以外のサービス内容や実際に採用いただいた企業さまの声を、こちらで詳しくお読みいただけます。>> 詳しくはこちら

 

オンライン説明会開催中

無料のオンライン説明会で、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)の活用方法を詳しくご説明いたします。ご参加いただいた方には、ビジネスデザイナーによる新規事業の個別カウンセリングもご提供しております。 ぜひお気軽にご参加ください。

Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、740件以上の支援を25業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2024年9月末時点)

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