世の中の急速な変化に伴い、予期せぬ事態への対応力を持つ人材が求められる今。多くの企業が課題とする「次世代リーダー育成」において、具体的にどういった研修や実践経験を積めばよいのでしょうか。人材育成にお悩みの人事担当者様に向け、ソニーの新規事業支援プログラム、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)が考える人材育成のポイントを解説します。
企業課題としての「人材育成」
変化が激しい時代の組織づくりに向けて
経団連が2020年1月に発表した調査データ※によると、調査対象企業の約9割が「自社の人材育成施策が環境変化に対応できていない部分がある」と回答しています。価値観の多様化や事業のグローバル化が急速に進む中、既存の制度や発想に基づく人材育成では限界があると多くの企業が痛感していることがうかがえるデータです。言い換えれば、時代を勝ち抜く事業創出や組織づくりをするうえで、これまで以上に「社員一人ひとりのスキル」が重視され始めていると言えるでしょう。
もはや人事部だけの課題ではない
さらに同調査では、対象企業が人事施策の見直しとして具体的に取り組んでいる事項として「方針や戦略の見直し」「予算の見直し」「経営トップ等からのメッセージの発信」などが挙げられています。人材育成はもはや人事部だけで見直すものではなく、企業全体で取り組む課題となっていることもわかります。
どのような人材を育成していくべきか
そうした現状において、企業はどのような人材を理想として育成を進めていけばよいのでしょうか。注目したいキーワードはずばり、「リーダーシップ」と「修羅場力」です。
次世代を担うリーダーの育成は、ビジネスはもちろん教育現場でも近年盛んに注目され、多くの企業や大学が研修プログラムを取り入れ始めています。多様な価値観を受け入れる柔軟さやコミュニケーションにおける人間力、時代の変化をキャッチするアンテナの高さは当然不可欠ですが、ことにWithコロナの時代においてはもう一つ、予期せぬ事態や危機的状況をも乗り越える力――「修羅場力」にもぜひ注目してください。
一皮むける経験で「修羅場力」を身につける
新規事業の立ち上げ経験が力に
困難に強い「修羅場力」のあるリーダーを育成する機会としてもっとも有効だと考えられるのが、新規事業の立ち上げを経験することです。アイデアの発想・具現化スキルを高めるだけでなく、プロジェクトの評価基準や意思決定プロセスの構築、新規パートナーの発掘など、既存業務をこなすだけでは高めづらい能力を身につけられるというメリットがあります。
そして新規事業の立ち上げにおいて、困難はつきもの。苦労や努力、自己判断や自律を重ねながらそれらを乗り越えることで、ビジネスマンとしても人間としても一皮むけ、修羅場力へとつながるスキルやマインドの土台が育まれていくのです。
部下を育成することで、自分も育つ
また、自らプロジェクトリーダーとなりチームをまとめる経験をすることで、部下やチームメイトをまとめるマネージメントスキルも養うことができます。ダイバーシティが進み、同じ会社内でも多様な価値観を持つ社員同士が働く機会が増える今、他者を育成する経験は、同時に自らにも新たな視点をもたらすことになります。
ロジックだけじゃない「感性」の刺激にも
新しいことへの挑戦は、わくわくや期待、不安との戦い、成し遂げる達成感など、心を揺さぶる数々の「感動体験」をもたらします。机上のロジックだけでは実感できないそうした感性の刺激を受けることも、新規事業立ち上げならではのメリットと言えるでしょう。
新規事業開発を通じて育成する、ソニーの「人材育成プログラム」
3つの柱を軸に、次世代リーダーを育成!
以上のような背景や考えから、ソニーでは新規事業開発を通じた人材育成プログラム「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」を提供しています。ソニーが長年培ってきたノウハウや開発環境をベースに、実際に新規事業の企画・立ち上げを支援。同時に次世代リーダー候補となる人材の育成をサポートするプログラムです。
- 特長① 徹底した実践主義
当プログラムの第―の特長は、徹底して実践にこだわっていること。レクチャー形式の人材育成研修では、せっかく学んだスキルを実践することなく終わってしまい、そのまま実務に活かせないこともしばしば起こります。一方このプログラムは、2014年のサービス開始から67件以上の事業化検証、17の事業を創出(2021年2月末時点)という実績があります。座学メインの研修に限界を感じている企業にはとくにおすすめです。 - 特長② 豊富な講師陣
プログラムの講師を務めるのは、ソニーでVAIOやCyber-shotの事業開発に参加するなど、豊富な経験を持つアクセラレーターたち。新規事業の立ち上げを支援し加速させるマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団が、実際の事業経験を通じて学んだ、豊富で専門的な知識でプログラムをサポートします。 - 特長③ リアルな感動体験
実践的であるからこそ、得られる感動体験もより深く心に残り、その後の仕事に向かうモチベーションになります。スキルだけでなくリーダーシップマインドを育成したい、そんな企業の想いにもお応えできるプログラムです。
具体的なサービス例
人材育成施策の目的に合わせ、異なるトレーニングや研修内容をお選びいただけます。
- 顧客・価値設計トレーニング
顧客視点でビジネスアイデアの骨子をまとめる力が身につきます。 - ビジネスモデル構築力トレーニング
数値計画の策定、アイデアのプレゼン方法など、実務のスキルを高められます。 - マインドセット育成ワークショップ
自身を振り返りながら、リーダーとしての軸を定めていくワークショップです。「自らの興味関心を探求することで、未来に成し遂げたい目標を明確化する」「自分のマインドセットを理解することで、自身の可能性を発見する」などを目的に実施します。 - メンタリング
ソニーで多数の事業経験があるプロデューサーがメンターとなり、新規事業立ち上げに向けた取り組みをサポートします。 - 事業化支援Webアプリ”StartDash”
新規事業を始めるために必要な準備を効率よく進められる、Webアプリを無料でご利用いただけます。「ビジネスの全体像や構成要素の理解」「商品・サービスアイデアのまとめ方を学習」「事業提案の体験」の3つができるトレーニングで、実際にソニーの新人研修でも活用されています。>>詳しくはこちら
業界を問わず使えるノウハウ
社員研修などのプログラムを通じて提供するのは、徹底的な顧客視点を重視した普遍的なノウハウです。業界にかかわらず応用でき、これまでも食品や化学など13以上の業界の起業を支援してきた実績があります(2021年2月末時点)。上場企業の経営者や事業部のリーダー統括職、ベンチャー企業の経営層など、SSAPの卒業生は幅広い業界で活躍しています。
活用いただいた企業さまの声
事例① 「ビジネスモデル全体を考えるきっかけになった」(株式会社LIXIL)
株式会社LIXIL(以下、LIXIL)の新規ビジネス部門が初の商品を開発するにあたり、SSAPが新規ビジネスに関するレクチャーとワークショップ、プロジェクトの進捗アドバイスを実施。約1年をかけ、電動オープナーシステム「DOAC」の開発をサポートしました。
「今回のプロジェクトでは担当者たちが、商品企画だけでなく、事業としてどう発展させていくか等も含めたビジネスモデル全体を考え実行したことは、LIXILとしての人材育成の観点からもとても大切なことだったと考えています」(LIXIL担当者)
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事例② 「専門分野に長けていて刺激ですし、頼りになります」(京セラ株式会社)
BtoB事業を主とする京セラ株式会社(以下、京セラ)が、BtoC事業の創出に向けSSAPを活用。2018年より、オープンイノベーションによる大企業間連携に取り組んでいます。
「良い意味で、厳しく指導頂いているというのが感想です。チームメンバーからも、『とても大変だが、良い意味で鍛えられる』という話を聞いています。チームメンバーは大変なことも多いでしょうが、彼らのこれからの変化が楽しみです。そういった経験が、彼らのキャリアのプラスになることは間違いないですから」(京セラ担当者)
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よくあるご質問
- なぜソニーが人材開発をしているのですか?
Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は、世の中に新しい価値を生み出し、それを社会に持続的に提供していくことを第一の目的としています。より良い社会を創るための取り組みとして、ソニーが持っている起業のノウハウや開発環境を、新規事業を創りたいと考える全ての人に提供しています。 - 新規事業開発をしていなくても受けられますか?
貴社の抱える課題をお聞きした上で、最適なプログラムメニューを考えます。必ずしも実際の新規事業開発を行う必要はありません。
オンライン説明会開催中
無料のオンライン説明会で、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)の活用方法を詳しくご説明いたします。ご参加いただいた方には、ビジネスデザイナーによる新規事業の個別カウンセリングもご提供しております。 ぜひお気軽にご参加ください。