2024.07.25
Sony Innovation Fund presents Remarkable Startups

株式会社 ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス)|最適化AIで社会基盤の計画業務を変革

Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は2022年8月より、革新的なテクノロジーをもつスタートアップに投資しビジネスをサポートするSony Innovation Fund(SIF)と協業し、SIFの投資先スタートアップ企業に支援提供を開始しました。SSAPとSIFはこの協業により、有望なイノベーションを育み、豊かで持続可能な社会を創り出すことを目指しています。

本連載では、SIFの国内投資先スタートアップ企業を1社ずつご紹介します。各スタートアップ企業の知られざるストーリー、今注力するビジネスとは?スタートアップ企業の軌跡と未来に迫ります。

今回は、株式会社 ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス) 代表取締役社長 永田 健太郎さんと取締役 / VPoE(Vice President of Engineering) 武藤 悠輔さん、ソニーベンチャーズ株式会社 鈴木 大祐と岡田 康彦の対談インタビューをお届けします。

株式会社 ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス) 代表取締役社長 永田 健太郎さん
株式会社 ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス) 取締役 / VPoE 武藤 悠輔さん
ソニーベンチャーズ株式会社 シニアインベストメントダイレクター 鈴木 大祐
ソニーベンチャーズ株式会社 インベストメント マネジャー 岡田 康彦

現場で運用するという顧客視点で設計

――まず、株式会社 ALGO ARTISのミッションを教えてください。

永田さん:会社のビジョンは、社会基盤の最適化です。その意味合いは、私たちの社会を支えている様々な産業の高度な運用計画の最適化です。例えば発電所や工場などの運用計画は、トラブル回避やコスト削減など多様な観点から策定する必要があります。その複雑さゆえ、結果として今でも全部人間が、特に熟練の技術者が計画を策定・管理しているケースが多くあります。さまざまな分野で革新的な技術の進歩があるにも関わらず、AIやDX化が進まず熟練の技術者に依存する現状に違和感があり、人の力では不可能なレベルの効率化を成し遂げることを目指しています。

武藤さん:計画業務は複雑な条件を判断する必要があり難易度が高く、今まで解決できていない分野でした。難易度が高くてできなかったけれど、本当はやりたかったという分野を、我々の高い技術力で実現していきたいと思っています。

――具体的な事業概要を教えてください。

永田さん:生産や配船といった極めて複雑な運用計画に特化した計画最適化ソリューション“Optium(オプティウム)”を開発・提供しています。既に現場で使われているのですが、発電所や化学系のプラントなどの運用計画にカスタマイズする形で提供しています。計画分野の最適化にフォーカスしたソリューションなので、アプリケーションとしてはスケジューラーみたいに見えるのですが、人の力では不可能なほど高いレベルで効率的な計画を作ることができます。

例えば、工場のエネルギーコストを数%減らせると数億、数十億のコストダウンにつながりますが、実際のオペレーション条件は非常に複雑です。SaaS(Software as a Service)(注1)では、こういったソリューションを提供するのは難しいです。それぞれの工場のオペレーションの細かい部分に向かい合って、お客様ごとに作ることによって本当に現場で使えるようなものになります。エンジニアがお客様と一緒に課題解決する形でサービスを提供しています。

Optium(左:サービス事例、右:アプリ画面)
Optium(左:サービス事例、右:アプリ画面)
注1 クラウド上で使用できるソフトウェアの総称

必要な機能と使いやすさのバランスという共通認識

――事業としてユニークな点は何でしょうか。

永田さん:提供するサービスはお客様ごとに作り込みますので、導入費用を頂き、カスタマイズしたものをお客様に対してライセンシングするという形で提供しています。そうすることによって、社内にノウハウが蓄積して、様々な産業に向けてより高度なソリューションを提供できることにつながります。我々自身がアルゴリズムの技術力を高め、お客様に還元していくビジネスモデルを作っています。

武藤さん:お客様の計画業務の複雑性が高いものに対して、最適化アルゴリズムで良い計画が作れるようにするのは、ALGO ARTISだからこそできることだと思っています。

最適化アルゴリズムをただ作ると難易度が高く、そのままではお客様が使いやすく、活用しやすいものにはなりません。実際にお客様が触るインターフェースの部分も使いやすさにこだわってものづくりをしています。最適化アルゴリズムを作る力と、計画業務を紐解いて便利で使いやすいプロダクトを作るという、この2つの掛け算を絶妙なバランスでできるエンジニア組織を持っているというのが、ALGO ARTISの強みになっています。

鈴木:現場で使いやすくするために、どのように開発しているのか教えてください。

武藤さん:お客様に直接何が課題ですか、最適化のためにどういう計画を立てますかと伺うと、たくさんの要件が上がってきます。全てを取り込んでいくと当然難易度が上がっていって、良い計画が作れないソリューションになります。

本質的な構造上の課題を追求し、例えばAIで計画を立てる部分、マニュアルで人が調整する部分などを紐解き、それらを考慮しながら開発します。諸条件が組み合わさった問題を解く難しさは最適化アルゴリズムで解決し、計画業務の関連部署間、ステークホルダーとの調整、人の意思を入れる部分を人に残します。この両面にこだわってものづくりをしているというのが、AI関連のスタートアップで注力しきれていなかった領域ではないかと思っています。

岡田:AIと人との役割分担があるのですね。

永田さん:AIは今、様々な領域で使われていますが、AIができること、人間にしかできないことがあり、何を成し遂げたいか決めるのは人間で、それに最も良い答えを出すというのがAIの仕事だと思います。今のビジネス環境は複雑になっているので、AIに任せて出てきた計画を盲目的に信じるわけにはいきません。例えばAIが作った計画の良し悪しを、指標を見ながら人間が考える、つまりAIと人とがインタラクティブに良い結果を考えるというのが実際に使われるツールとしては正しいと思います。

武藤さん:エンジニアリングの観点でいうと、誰がやっても正しい、つまり主観が一切なく誰が見ても○×で決められるようなもの、必要な制約条件を満たす部分はAIにやらせようとしています。

一方で、人間が悩むべきところ、意思決定が変わるようなもので、複数の重要な要素の優先順位、トレードオフ関係があるものは、コストを重視する会社とリスクを重視する会社とでは同じ業務であっても行動が違ってくると思います。何を優先するかなどは、人間の意思決定であるべきだと思います。

エンドユーザーを主人公にする

――導入事例に最初の技術検証であるアセスメントの段階でアウトプットがイメージしやすかったとの声がありましたが、この結果を実現出来ている要因は何でしょうか。

武藤さん:現場で使われるということを明確なゴールとして、ものづくりをしています。問題が解けるかどうか、データが全部入るかどうかなど課題を全て内包して使えるものなのか。ここを意識しないと、見た目は綺麗だけど使いづらいとか、アウトプットが正しくないということが発生します。日々使われるということを強く意識してお客様とコミュニケーションをします。お客様が抱える課題を解ける問題に落とし込むために、開発段階で現場の方に業務フローを細かく伺って、目的や使用方法、具体的な毎日のオペレーションを確認します。そのため、アセスメントの段階でお客様からエクスペリエンスが違うと言って頂いています。

――開発段階からエンドユーザーを意識しているのですね。

永田さん:実際に現場でシステムを使う人を初めから巻き込むことが重要です。その人が使いづらければ、開発は成功しません。その人をプロジェクトの主人公にするのが大切です。

武藤さん:エンジニアリングの観点では、現場の人が使いたいと思うような価値提案が必要です。自分の問題が解消されて、業務が楽になるからそのサービスを使いたいのであって、最適化アルゴリズムを現場の人が信じられるレベルにするのは必須です。ただ、それだけだと日々の柔軟な計画変更に対応しづらくなります。毎日データを入れて計画修正するみたいな業務がやりやすくならないと、今度はそれが理由で全く使ってもらえなくなってしまいます。不便すぎて使えないという部分を乗り越えるUI開発をこだわってやるのが重要だと思っています。

――顧客とのコミュニケーションに時間をかけるとのことですが、開発の難しさはどんなところでしょうか?

永田さん:顧客が抱える課題を解ける問題に落とし込むというのは、お客様と何度もすり合わせて進める必要があり、この工程には時間がかかり、開発期間が長くなりがちです。     例えば電力会社でいうと、再生可能エネルギーの発電量のトレンドによる影響や、原材料である石炭を海外から輸入しているので国際情勢の影響など、様々なケースを事前に想定しておく必要があります。こういったところも含めて丁寧に開発しているので、活用いただけている面があると思います。

鈴木:最適化ソリューションを導入したことで気がついた、事業を拡大するポイントはありますか?

永田さん:ある部門の計画業務を最適化し可視化したことで、これまでは他の部門と情報を連携するために、計画を変更すると改めて資料を作り直す必要があったのが、データを共有し、他の部門でピボットテーブル的な処理ができるようになりました。ソリューションの導入自体は特定の部門に閉じていたものが、徐々に役割が広がり、他の部門との連携もより柔軟にインタラクティブにできるように変わっています。

設備を持っている企業の例では、今運用している設備に合わせて最適解を導き出しますが、この設備の構成を変えたらどうなるのか、どう設備を変えるとより効率のいい運用になるのかというシミュレーションに使って頂いています。設備工事はお金がかかり、計画をミスすると莫大なロスが出てしまうのですが、そうならないように、あらかじめシミュレーションする。これは我々が想像していなかった新しい使い方です。

新しい社会基盤づくりを目指す

鈴木:インフラと略称されて社会資本と同義として用いられることが多いですが、ALGO ARTISが考える社会基盤について教えてください。

永田さん:我々はまず生活に必要なものという、そういう捉え方をしています。道路、鉄道、航空船舶、電気、ガス、水道、電信電話、インターネットなどのインフラ設備など、私たちの日々の生活は様々な社会基盤の上に成り立っていて、それらによって初めて便利で快適な生活を過せています。

その中でも、特にインフラに近いところ、生活必需品的なものというのが我々のメインターゲットになっています。現在はその中でもインパクト、規模が大きいところを重点的に捉えていて、例えば電力会社や製造業、交通などの領域に取り組んでいます。

武藤さん:例えばここにあるテーブルやゲーム、身の回りの生活を豊かにしている実態のあるものは、すべて大きなサプライチェーンの中で成り立っています。もう一歩先には、サプライチェーンを回すためにも重要な計画業務があり課題もあるので、生活を豊かにしているもの全てがターゲットになってくると思っています。

業界事例イメージ
業界事例イメージ

岡田:社会基盤と計画業務の関係について、事例を踏まえて説明をお願いできますか。

永田さん:交通、バス会社の事例でお話しします。バスというのは運行ダイヤがあって、どのバスをどう走らせるか、バスを走らせるための人のシフトをどうするか、計画業務はこの3層構造になっています。それを今までは、全部人が一個一個管理したり調整したりしていました。人のシフトであれば、運行上の労務的なルールを守る、病欠などで一部     の人に強い負荷が掛からないよう平準化するなど、すべての人を働きやすくするために高度なインテリジェンスが必要で、これまでは調整した結果が本当に良いものなのか確認する方法がありませんでした。

例えば、これまでであれば当日欠勤者が出ると計画見直しはシステムではやり直せず、人が改めて計画し直すことが必要になってきます。当初の計画が崩れリカバリが必要になった時、正しいリカバリが行われないと、そのコストは実は周り回って我々が負担することになります。そういう意味で、社会基盤にフォーカスしているのはロス、無駄、リスクを減らし、社会全般の負荷を減らしたいという思いがあるからです。

大企業からのスピンオフがメリットになる理由

――起業することになったきっかけを教えてください。

永田さん:ALGO ARTISは、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)からスピンオフしたAIベンチャーです。DeNAの中で AI を活用する新規事業としてスタートし、2021年7月にALGO ARTISを設立しました。大企業からのスピンオフであることが、我々にとって大きなアドバンテージだったと思います。

スタートアップは社会的信用が低く、良いサービスを提供できてもなかなか大企業に取り合ってもらえず、そこで止まってしまうことも多いのが実情です。一方、スピンオフは大企業の中である程度実績を積むことができるので、社会的に素晴らしい仕組みだと思います。

もちろんスピンオフならではの難しさもあって、スピンオフの成功のためには、親会社がその選択を許可する必要があります。結局は会社対会社の話ですから、親会社と新しい事業の双方にとって良い判断でなくてはなりません。そういう意味で、DeNAは非常に懐が深かったと思います。

代表取締役社長 永田 健太郎さんと取締役 / VPoE(Vice President of Engineering) 武藤 悠輔さん

――SSAP主催のビジネスコンテスト「Startup Switch 2022」に応募され、ソニー賞を受賞されていますね。

永田さん:受賞は率直に驚きました。現場に入り込み、実態を踏まえながらDXを進めてきた点とそれが大きな社会課題解決に貢献する点を評価して頂きました。

――一方出資したSIFはALGO ARTISのどこに注目していますか。

鈴木・岡田: 社会における多様な最適化問題に対して、コンサルティングファームや大企業を含めて多くの最適化ソリューションが存在しています。一方、ほとんどのサービスが表面的な最適化に留まってしまい、オペレーションの深いところまで入り込むことができないままでいました。その中で、ALGO ARTIS社は特に難易度の高い重厚長大産業の抱える複雑な課題に対し、トップレベルのエンジニア/データサイエンティストを中心に、現場に入り込んだアルゴリズムソリューションを開発し、顧客のオペレーションに実装することができる点が主な投資の決め手です。それらに裏打ちされた大手エンタープライズ各社の導入実績も目を見張るものがあります。出資にあたり特に注目したポイントはこの3つです。

1.トップエンジニア集団による開発力 2.ターゲット市場の大きさと成長ポテンシャル 3.インフラ、ロジスティクス、化学業界等における大手工ンタープライズへの導入実績

1. トップエンジニア集団による開発力

グローバル規模の競技プログラミング大会でトップクラスの受賞実績を有するアルゴリズムエンジニアを多数抱えているのが魅力です。そのため、従来は局所解で留まっていた実社会における複雑の条件の難題を解決するためのアルゴリズムをシステムに落し込むことができる技術力の高さ、ソリューション開発力の高さが競争優位性の根幹と認識しています。

2. ターゲット市場の大きさと成長ポテンシャル

特に大手エンタープライズに対して、各社ビジネスの核心とも言えるサプライチェーンの運用計画にアルゴリズムソリューションを提供しており、ターゲット市場は巨大です。導入効果は大きいもので数億円規模となるインパクトの大きさに加えて、国内で社会課題となっている熟練工やベテラン社員による属人化されていた業務体制からの脱却を図ることができる点も魅力です。

3. インフラ、ロジスティクス、化学業界等における大手エンタープライズへの導入実績

導入実績には、国内の基幹産業であるインフラ業界や製造業界などにおける錚々たるエンタープライズ企業が名を連ねています。コンサルティングファームや大企業が提供するような高額かつフレキシビリティがないソリューションではなく、ALGO ARTIS社の最適化ソリューションは自由度が高く、自動化を実現できることでお客様のオペレーション改善に貢献していると認識しています。

ソニーやSIFに期待することの説明

競技プログラミングの能力を活かすユニークな環境を価値提供に

――ソニーやSIFに期待することを教えてください。

永田さん:既にいろいろと協力頂いていますが、グローバルトップ企業の生産計画やサプライチェーン、金融などの多様な事業領域の中でどういう課題があるか、インプットをお願いしたいと思います。我々の事業は計画分野でありますが、世の中にどういう課題があるか知り尽くしているわけではありません。我々にとって全く新しい領域での適用可能性や、未来のお客様をご紹介いただくなど、自社ではできない事業を広げるきっかけが作れればと考えています。

武藤さん:エンジニア観点でいうと、課題に対して価値提供することが最優先でありながらも、難しい問題を解くのが楽しく、難易度が高ければ高いほど燃えるエンジニアが揃っているのは、ソニーも同じかなと思います。

最適化アルゴリズムを作っているのは、競技プログラミングで活躍している一流のメンバーです。プロダクトを作るメンバーもDeNAからスピンオフしたこともあってUI、UXにこだわりが強く、顧客が抱える課題を解ける問題に落とし込むことが得意です。本当にできたら価値が大きいものの、難易度が高くてできなかったことなど、フラットにぶつけてもらえたら嬉しいです。

株式会社 ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス) 代表取締役社長 永田 健太郎さんと取締役 / VPoE(Vice President of Engineering) 武藤 悠輔さん、ソニーベンチャーズ株式会社 鈴木 大祐と岡田 康彦

――今後の目標について教えてください。

永田さん:顧客の計画策定業務の属人化を解消するため、今は顧客別にカスタマイズする形でソリューションを提供しており、そのため自分たちが俗人化している面があります。導入のプロセスに時間がかかるため、結果的に費用もかさんでしまう傾向にあり、一部の大企業にしか導入できないというもどかしさがあります。お客様に寄り添った形であるものの俗人化することなく、ソリューションを統一して、中期的には裾野を広げたいと思っています。

そのため、現在のソリューションビジネスから、プロダクトベースのビジネスへと展開することを目指しています。我々は、企業や産業に深く入り込んでいるので、顧客の課題を理解しています。その知見を生かすことによって、共通するプロダクトでソリューション提供することができると思っています。第1弾として、化学プラントの生産計画に関して、プロダクトベースのソリューション提供を来年から本格的に始める予定です。横展開する仕組みを構築中なので、第2弾、第3弾とよりプロダクトベースのものをさまざまな領域に広げていけると考えています。

武藤さん:技術的には、高度な最適化アルゴリズムの開発を進めるとともに、複数の異なるシステムとの連携機能を強化していく方針です。例えばIoTデータと組み合わせたリアルタイム計画最適化など、新たなソリューションの提供を目指します。AIなどの最新技術を取り入れながら、計画業務のDXを推進していきます。

永田さん:長期的には、さまざまな産業の川上から川下まで、原材料から製品まで、ある会社で作った製品が別の会社の仕入れになるサプライチェーン全部を繋いだ時の最適な計画づくりを目指しています。産業全体が最適化されるということを可能にするのが、長期的な目標です。

また海外展開も視野に入れています。我々は発電所や化学プラント、物流などを対象に事業を行っていますが、これらは日本国内だけの話ではありません。計画業務ではまだ誰も世界中で使われるようなデファクトスタンダードを作れていないので、そのデファクトを我々が作りたいと考えています。

――読者へのメッセージをお願いします。

武藤さん:スタートアップコミュニティの盛り上がりは、新規事業全体にプラスだと思っています。さまざまな会社がさまざまな方法で情報を発信してくださっていることが、我々の意思決定の助けになっていることが結構あります。スタートアップコミュニティの中に飛び込んでもらうことがプラスになると思っているので、一緒にリスクをとって頑張りましょう。

永田さん:さまざまな会社と話していて、DX化や新しい技術でチャレンジするのに腰が重いなと感じることがあります。新規事業は一定のリスクが存在していて、10回やって1回か2回当たるかどうかの世界です。繰り返すことによって打率が上がっていくので、まずチャレンジすることが大事かなと思います。

スタートアップがいろんなチャレンジをしている中で、適切に淘汰された良いものが残っていくはずなので、その循環を早めるためにも、いろんなチャレンジを大企業の方々も積極的にやっていただければと思います。

 

Sony Innovation Fundやスタートアップに関するお問い合わせはこちら

連載「Sony Innovation Fund presents Remarkable Startup」では、今後も定期的にスタートアップをご紹介してまいりますので、お楽しみに!

※本記事の内容は2024年6月時点のものです。

Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は、「あらゆる人に起業の機会を。」をコンセプトに、2014年に発足したスタートアップの創出と事業運営を支援するソニーのプログラム。ソニー社内で新規事業プログラムを立ち上げ、ゼロから新規事業を創出した経験とノウハウを活かし、2018年から社外にもサービス提供を開始。経験豊富で幅広いスキルとノウハウをもったアクセラレーターの伴走により720件以上の支援を24業種の企業へ提供。大企業ならではの事情に精通。(※ 2024年7月末時点)

バックナンバー

Sony Innovation Fund presents Remarkable Startups

ランキング