Sony Startup Acceleration Program(SSAP)のアクセラレーターは、新規事業の立ち上げを支援し加速するマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団です。それぞれが実際の事業経験を通じて学んだ豊富で専門的な知識を持ち、様々な分野で新規案件の事業化や収益化をサポートしています。
本連載では、SSAPに所属する多数のアクセラレーターの中から各回1名ずつをピックアップしご紹介いたします。
井上 令子 Ryoko Inoue
――担当支援領域
スタートアップマーケティング
- 新規事業の売り上げや利益の最大化のためにニーズ検証・営業マーケティング・ECの観点から支援
――担当事例
・京セラ株式会社、株式会社LIXILなどの社外企業案件
・wena™やtoio™をはじめとするソニーグループ各社案件
アクセラレーターインタビュー
――これまでのキャリアを簡単に教えてください。
以前は、コンシューマー向け商品の国内営業と、ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社(現ソニー株式会社)でオーディオ商品の海外マーケティングを担当していました。
営業時代は、店舗営業としてお客様に商品を売るための売り場づくりに携わり、カメラをメインに、店舗に置いてある幅広いカテゴリのソニー商品を担当していました。お店の方とコミュニケーションをとりながら売り場を作り、週末などにイベントがあれば販売員としても店頭に立つという経験を通じて、店舗との付き合い方や、商品をいかにお客様に伝え、生の声を拾っていくかというマーケティングの重要な部分を学ぶことができたと思います。
その後、異動した部署では、北米とロシアを対象としたヘッドホンのマーケティングを担当し、新商品の導入や、現地の販売会社と連携して販売状況を管理し商品にフィードバックしていく業務を行っていました。また、北米やロシアの販売会社メンバーや店舗の方が来日した際の商品導入、さらに要望があれば販売会社に長期出張し、現地メンバーと共に各種データ作りや商談にも参加しました。
その後、SSAPのような新規商品を、新規性のあるものとして注目されるだけでなく世の中にヒット商品として認知されるよう、販売拡大の面で自身の経験を活かし貢献したいと思い、SSAPに参画しました。
――支援するうえで大事にしていることは何ですか?
何事も、先入観を持たずに取り組むようにしています。マーケティングは、これをやれば絶対に売れるという正解がないのが難しいけれど面白いところです。新しい分野の商品やサービスが多いので、今までのやり方や固定概念は極力持たず、プロジェクトごとに何が最適かを都度、判断していけるように心がけています。
実際に商品を売ろうとしているチームが何を目指すのか、誰に売りたいのかをしっかりとヒアリングし、本当にそのお客様がターゲットとして適切なのか、ニーズがあるのかを調査してマーケティング施策に落としてくのですが、ペルソナを作っても、実際にユーザーインタビューや体験会をして聞いてみないとわからないことがほとんどなので、本当の「お客様の声」を反映していけるように日々工夫しています。
――SSAPの活動を通して実現したいことはありますか?
支援したプロジェクトの商品やサービスが、世の中のスタンダードとして定着するようにお手伝いができたら嬉しいです。ふと気づくと隣の人が使っている、街行く人が持っているという状態になるように、プロジェクトをサポートしていきたいです。
自分たちが作ったものを、お金を出して買ってもらえるというのはすごいことですよね。自分の知らないところで、誰かが自分たちの商品を買ってくれて、自分の知らないところでその人の生活がガラッと変わっている、想像するだけでワクワクします。それが実現できるように、今後もSSAPで活動していければと思っています。
――オフの楽しみを教えてください。
基本的にはのんびりしていることが多いです。自宅の近くに海があるので、海辺を散歩したり、ごくたまにサーフィンもしたりします。水族館の年間パスポートを持っているので、ふらっと立ち寄ることも。行く時々で展示やイベントが変わるので面白いですし、マーケティング視点で「見せ方」に感心してしまいます。美味しい物を食べるのも好きなので、新鮮なシーフードを楽しめるのも、海の近くに住む魅力ですね!
――最後に一言お願いします。
みなさんが温めているアイデア、机の下に眠っているアイデアをお客様へ届けるお手伝いができればと思います。ご自分が生み出したものをどう売ったらいいのか全くわからないという方でも、商品・サービスをお客様に伝え、お手元へ届けるところまで、SSAPが全力でサポートいたしますので、ぜひ一緒に新しい”スタンダート”を世に生み出しましょう。
※本記事の内容は2023年6月時点のものです。