Sony Startup Acceleration Program(SSAP)のアクセラレーターは、新規事業の立ち上げを支援し加速するマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団です。それぞれが実際の事業経験を通じて学んだ豊富で専門的な知識を持ち、様々な分野で新規案件の事業化や収益化をサポートしています。
本連載では、SSAPに所属する多数のアクセラレーターの中から各回1名ずつをピックアップしご紹介いたします。
天宅 豊 Yutaka Tentaku
――担当支援領域
品質・コンプライアンス
・品質の向上やコンプライアンスの観点から支援
――担当事例
エアロセンス株式会社や、REON POCKETなどソニー社内案件多数
アクセラレーターインタビュー
――これまでのキャリアを簡単に教えてください。
新卒で光学エンジニアとしてソニー(現:ソニー株式会社)に入社し、ブルーレイディスクの記録再生用光ピックアップ(※1)の設計開発に携わりました。その後、大容量光ディスクをデータセンターに導入する事業にチャレンジすることになり、システムエンジニアに転身。ストレージシステムの品質責任者として北米への赴任も経験し、様々なビジネスの転換の中でソフトウェア品質への多種多様な考え方を学びました。その経験を活かし、現在SSAPでは品質チームの統括者として新規事業を支援しながら、品質支援のあるべき姿を常にブラッシュアップしています。
――支援するうえで大事にしていることは何ですか?
新規事業の品質支援においては、機会を最大限に活かしつつも、事業や社会に甚大な影響を及ぼすリスクを検知した際には適切なブレーキをかける役割でなければいけない。このバランス感覚をもって支援することが、新規事業の品質支援において最も難しく、また重要なことだと思います。バランス感覚を養うには、プロジェクトリーダーや開発者と同等の愛着を事業に対して持ち、寄り添うことが大事だと思っています。そうすれば自ずと、「必ず事業立ち上げをしたい、一緒にサービスをリリースしたい、ただし半端な品質を許すわけにはいかない」という気持ちが芽生え、新規事業にとって適切なバランスの取れた品質支援ができると思っています。
――SSAPの活動を通して実現したいことはありますか?
世の中に無い新しいサービスや製品を生み出すことに、少しでも携わることができればと思っています。入社間もない若かりし頃は、「自分がイノベーションを起こす」という気概に満ち溢れていました。それから15年ほど経過する中で、世の中にどんどん新しいアイデアが生まれていることを実感することが多くなりました。例えばブロックチェーンを応用したNFT(※2)のような概念を知ったときの衝撃は忘れられません。そこで自分のキャリアを新しいアイデアを「創る」側から「支援する」側に思い切って変えてみたところ、様々なアイデアやテクノロジーに触れる機会が増え、それを支援することで、逆に自分の可能性が圧倒的に広がったことを感じられるようになりました。1つでもたくさんの素晴らしいアイデアに触れ、それを世の中に出していくお手伝いができれば、私にとってこれ以上ない幸せです。
――オフの楽しみを教えてください。
最近はサウナ通いにハマっています。昔から好きだったのですが、昨今のサウナブームに便乗し、より「ととのう」ということを追求するようになりました。デジタルデトックスの効果もあり、仕事で疲れた頭をリセットできるのが最大の魅力です。全国各地の名だたるサウナ施設を巡る楽しみもありますが、将来子どもたちが成人したあとに子ども部屋をサウナにリフォームすることが最終目標です。そのためには子どもを自立したまっとうな大人に育て上げて、出て行ってもらわなければなりません!
――最後に一言お願いします。
どんなに素晴らしいアイデアや技術であっても、それだけでは新規事業をローンチすることはできません。必ず裏方が必要です。サザンオールスターズというバンドもボーカルの桑田佳祐さんだけでは成り立ちません。裏でパーカッションを叩く人も重要なピースなのです。特に品質は漠然とした不安に対して、どう対処すればよいか悩むことが多い領域です。その不安を払拭する裏方として、是非お手伝いできれば幸いです。
※本記事の内容は2022年6月時点のものです。