2021.06.08
アクセラレーター紹介

「内なる想いやアイデアを明文化することが、プロジェクトを加速させる」

Sony Startup Acceleration Program(“SSAP”)のアクセラレーターは、新規事業の立ち上げを支援し加速するマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団です。それぞれが実際の事業経験を通じて学んだ豊富で専門的な知識を持ち、様々な分野で新規案件の事業化や収益化をサポートしています。

本連載では、SSAPに所属する多数のアクセラレーターの中から各回1名ずつをピックアップしご紹介いたします。

松岡 秀峰 Hidetaka Matsuoka

――担当支援領域

スタートアップマーケティング

  • 新規事業の売り上げや利益の最大化のためにニーズ検証・営業マーケティング・EC・クラウドファンディングの観点から支援

――担当事例

商品企画・ニーズ検証を中心とした支援を多く担当

アクセラレーターインタビュー

――これまでのキャリアを簡単に教えてください。

学生時代に愛用したウォークマンなど個人向け商品の企画職を目指してソニーに入社し、最初に配属されたのは志望分野の対極ともいえる、業務用 AV+ITシステムのセールス・マーケティング部門でした。しかし結果的に、業務用機器を自身の商売道具として使う社外のプロフェッショナルのお客様と1対1で接するなかで、お客様の困りごとをいかに解決するか、ソニー以外の製品の採用も含めてベストと考えられるシステムを企画提案する機会に恵まれました。お客様との最前線での業務を通じて傾聴力・提案力が鍛えられたと思っています。
その後は全世界向けメディカルシステムのマーケティング担当を経て、念願のウォークマン、VAIO(PC)、ハイレゾリューションオーディオなどの個人向け商品企画を担当。VAIOでは当時の商品ポートフォリオ責任者としてインテル様、マイクロソフト様など海外パートナーとの開発協業を牽引しました。
現在はSSAPにて社内外のプロジェクトのコンセプトデザイン(可視化)、ニーズ検証(マーケティングリサーチ)を支援するアクセラレーターとして活動しています。

――支援するうえで大事にしていることは何ですか?

規模の大小を問わず、成功する商品は社会のなかで「作り手」と「使い手」の想いが通じたときに生まれます。ソニーグループはパーパス(存在理由)として「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことを掲げていますが、その実現にはクリエイター(作り手)とユーザー(使い手)の想いを繋ぐことが不可欠です。

私が新規事業創出を支援する際は、作り手である起業家の「頭の中の考え」や「胸の内の想い」を文章や図に書き起こし、使い手として想定する顧客の人物像(ペルソナ)とその困りごとも同様に可視化することから始めます。刑事ドラマで捜査員が目撃者の記憶をもとに捜査対象者の似顔絵を描くシーンが出てきますが、「描く」ことで、「いやそうじゃない、髪は肩までかかっていて…」と詳細化できたり、「目鼻はあっているが、もっと険しい表情だった…」と全体のイメージを明確化できたりしますよね。
このように頭の中にある商品・サービスや顧客像を「自分の外」に出して誰からも見えるようにすることでプロジェクトチームメンバー間の議論や意思統一が加速します。商品アイデアと顧客の課題を見比べることで仮説の整合性やプロジェクトの進むべき方向性が見えてきます。プロジェクトの軸を揺るぎないものにするために、仮に回り道のように見えてもこのステップはしっかりと踏みます。

松岡秀峰の写真

――SSAPの活動を通して実現したいことはありますか?

新しい価値を創出して社会に貢献することを目指す過程で支援先の皆様と実現したいことが2つあります。
1つ目は建設的な議論ができるチーム作りです。ベンチャー起業家は常に孤独だと言われますが、「可視化」によってSSAPがプロジェクトメンバー間の意思疎通をサポートし、苦楽をともに分かち合えるようにチームの一体感を高めます。
2つ目はプロジェクトの「自分事化」です。企業内の「タスク」として新規事業に取り組んでいらっしゃる方に対しては、自社の強みとターゲットユーザー(ペルソナ)の課題を明確にすることで自信とパッションを高め、自分事化していただくことを目指します。

――オフの楽しみを教えてください。

オフにはなにかを「深掘り」するよりも、あてのない「探索」をすることが多い気がします。

子供のころはラグビースクールで体を鍛える一方、アマチュア無線の免許を取り、片言の英語で世界中の見知らぬ人々と先行きのわからない会話を楽しみました。同じ趣味を持つ人との遠隔対話という点では、一時期話題になった「Clubhouse」に似ているかもしれませんね。当時無線機やオーディオ機材などが買えないときには、雑誌の回路図を参考に何週間もかけて自作することもありました。
ライフステージが進むにつれて趣味の時間は限られてきましたが、買い物など外出の際には、あえて路地をあちこち遠回りしたり、街の風景を昔の写真や将来の開発計画図と見比べたりして現在・過去・未来の人々の生活に想いを馳せるのが楽しみの一つです。

子供が小さい頃は写真撮影も楽しみの一つでしたが、こちらの写真は2020年12月に木星と土星が最接近したときに我が家から撮影したものです。

夜空に小さな星の光が二つ近づいて見える写真
2020年12月22日 東京より南西の空を望む

子供の運動会撮影用に買った手頃なレンズでも木星の衛星や土星の輪をおぼろげながら確認できたことには驚きました。最近は空が明るい市街地でも天体観測できる電子望遠鏡が出てきているそうですが、山などに出かけて「アナログ」な望遠鏡で観たときとの「感動の違い」に興味があります。

――最後に一言お願いします。

自らの技術・アイデアへの思い入れや、顧客の悩みの解決にかけるパッションをお持ちでありながら、「何から始めたらよいか」「社内外のハードルをどう乗り越えればよいか」と不安に感じられる方には、ぜひSSAPにアクセスしていただければと思います。
StartDash」という新規事業計画策定をナビゲートする無料のWebアプリが用意されていますので、まずはアイデアを自分の外に置く「アイデアの可視化」から始められてはいかがでしょうか。「StartDash」であぶりだされた不足部分を独力では解決できそうにないと思われたときには、SSAPの無料説明会にぜひご参加ください。アクセラレーターとして皆様とご一緒できる機会を楽しみにしております。

あらゆる人に起業の機会を。

Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から7年間で、80件以上の事業化検証、17の事業を創出(2021年6月末時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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