Sony Startup Acceleration Program(“SSAP”)のアクセラレーターは、新規事業の立ち上げを支援し加速するマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団です。それぞれが実際の事業経験を通じて学んだ豊富で専門的な知識を持ち、様々な分野で新規案件の事業化や収益化をサポートしています。
本連載では、SSAPに所属する多数のアクセラレーターの中から各回1名ずつをピックアップしご紹介いたします。
今井 貢 Mitsugu Imai
――担当支援領域
品質・コンプライアンス
- 品質の向上やコンプライアンスの観点から支援
プロトタイピング&マニュファクチャリング
- 新規アイデアの実用化・量産化をモノづくり・電気・メカ・ソフトウェアの観点から支援
――担当事例
ソニーグループ内では、toio™、REON POCKET、KOOV、社外では、株式会社グレースイメージングなど
アクセラレーターインタビュー
――これまでのキャリアを簡単に教えてください。
私はこれまで電気エンジニアとして、データストレージ製品のHDディスクや光ディスクの設計・開発を行ってきました。これらの製品の電気系にひと通り携り、技術的にも大変おもしろく色々なキャリアを積むことができました。次のステップとしてコンスーマー系の新規事業にも携わるべく、2016年5月からSSAPに参画しました。
――支援するうえで大事にしていることは何ですか?
現在は、品質・コンプライアンスをメインに、電気設計等の支援も担当しています。
スタートアップの方々が新規の製品・サービスを生み出す際に、ご自身で最初から品質・コンプライアンスについて明確なゴールやノウハウをお持ちのケースは少ないため、設計等が始まる最初の段階で、しっかりと品質面を考慮した設計をご提案するようにしています。
また新規事業では、実際に設計がスタートした後に、途中で機能の拡張、方針の変更が起こることもよくあります。それらの要求にこたえられる余白を持ちつつ、設計を進めていくことを意識しています。具体的には、設計が始まる段階からプロジェクトメンバーの方々とコミュニケーションを密に行い、どのあたりで変更が入る可能性があるかを把握するようにしています。これらにより、品質・コンプライアンス観点での評価後に追加の要求があった場合も、変更方法を提案できるようにしているのです。
――SSAPの活動を通して実現したいことはありますか?
スタートアップの製品は「早く世に出したい」「市場に価値を問いたい」、これに尽きると思います。そのためには、開発のスピードは最も重要です。しかし、出したものに品質的な問題があれば、せっかく良いアイデアの製品でも市場は受け入れてくれません。その結果、事業として充分な利益を得る事が出来なくなります。スタートアップの場合、この時点で資金が足りなくなり2度目の製品化につながらないケースも多くあります。つまり、スタートアップであるからこそ、しっかりとした品質を確保する必要があるのです。
私は、スタートアップの製品化に即した「開発スピード」と「品質」の両方を確立したスキームを作り、世のスタートアップの夢の実現をサポートしていきたいと思っています。
――オフの楽しみを教えてください。
本来は身体を動かす事が好きでしたが、最近新たな楽しみが加わりました。昨今、コロナの状況で家にいる事が多くなり、家の周りの樹々のメンテナンスを少しずつ行うようになったのです。現在、家のちょっと空いたスペースに紅葉、アラカシ、桂などを植えているのですが、たまに剪定をしないととんでもない事になります。そこで、ハサミをつかって切るわけですが、いい形にしようと思うとなかなか難しい。どうせまた生えてくるので、あまり難しく考えずにバッサリ剪定して、「さーて、どんな形になるかなあ」と想像しながら眺めています。これで結構ビールが呑めます。
――最後に一言お願いします。
スタートアップの製品化を全て自前のチーム内で行うことは、よほどのメンバーに恵まれていない限り難しいことが多いです。プロジェクトチームのメンバーは本当に注力したい部分に集中し、それ以外の部分については我々がサポートすることで製品化の時間短縮が可能になり安定した品質も確保できます。シーズがあって製品化を考えている方がいらっしゃれば、ぜひ相談に来てください!