2021.01.28
アクセラレーター紹介

「ソフトウェアの見える化を進め、プロジェクトをメンバーと共に創っていく」 

Sony Startup Acceleration Program(“SSAP”)のアクセラレーターは、新規事業の立ち上げを支援し加速するマインドセットとスキルを兼ね備えたプロフェッショナル集団です。それぞれが実際の事業経験を通じて学んだ豊富で専門的な知識を持ち、様々な分野で新規案件の事業化や収益化をサポートしています。

本連載では、SSAPに所属する多数のアクセラレーターの中から各回1名ずつをピックアップしご紹介いたします。

石川 恒太朗 Kotaro Ishikawa

――担当支援領域

品質・コンプライアンス

  • 新規アイデア・事業を品質の向上やコンプライアンスの観点から支援

――担当事例

事業化支援アプリ「StartDash」、他多数
wena™, REON POCKET, NYSNO-100など SSAPから生まれた事業をソフトウェアの品質面で担当

アクセラレーターインタビュー

――これまでのキャリアを簡単に教えてください。

オーディオ製品のエンジニアとして20年ほど、光ディスク機器(CD・MD)の光学ドライブの制御やアプリケーションの開発を担当しておりました。
持ち歩きが可能なポータブル製品を担当していた頃は、例えば消費電力を抑え再生時間を延ばす必要があったり、持ち運びの際に受ける振動や衝撃に持ちこたえるような設計にしたりと、ハードウェア設計者と密に議論しながら設計を進めていました。

その後、映像関連のVideo-CDの設計や、DVDプレーヤーの設計などを担当しました。私が担当していた頃は、ちょうどテレビがブラウン管から液晶テレビに移行していく時代。画面のサイズや解像度の種類が幅広くある状況でした。様々な種類のテレビに合わせて、映像・音声を出力する必要があったため、正常に画像が表示され、音が出るかといったテストを実施していました。
こういった経験もあり、オーディオ領域のSQA(ソフトウェア品質保証)チームの立ち上げに参画することになりました。参画当初は、自らテストケースを書いてみたり、テストの標準資格であるJSTQB ※1(Japan Software Testing Qualifications Board)の勉強をしたりしました。SQAでのテストを始め、最初に見つけた不具合の内容は今でも覚えていますし、関係部署の方に「テストしてもらってよかった」と言われホッとしたときのことは今でも覚えています。SQAではIOP※2(入出力プロセッサ)と呼ばれる、DVD・BD(ブルーレイディスク)プレーヤーとTVとの接続性の確認、Bluetoothを使用したヘッドフォンと携帯電話の接続性などを担当していました。

これらの製品は中国との関係が深いこともあり、中国の無錫市(中華人民共和国江蘇省の南部に位置する地級市)に赴任し、現地のSQAチームの立ち上げに参画したこともあります。

※1 Japan Software Testing Qualifications Board:日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織
※2 コンピュータシステムの入出力制御機能を独立して担当する処理装置のこと

――支援するうえで大事にしていることは何ですか?

1つ目に、プロジェクトメンバーと二人三脚で、必要な情報を取り入れながら進めることを意識しています。SSAPでは幅広い製品・サービスを扱っており、様々なバックグラウンドの、様々な個性あふれる方々とプロジェクトを進めることになります。SSAPに参画した当初は、これまでのオーディオ機器での経験を生かせば何とかなると思っていたものの、新規事業でのSQAは想像以上にハードルが多く、日々プロジェクトメンバーと協力して知識やノウハウをインプットしながら支援をしています。

2つ目に、より効率的にサポートを行うことも心掛けています。製品やアプリをソニーのものとしてリリースするためには、セキュリティー、プライバシーなどコンプライアンスを守る必要があります。また新規性の高いものをリリースする場合は、守るべき法律・ルールを1から勉強する必要があります。これらを少人数で進める必要がありますので、設計者と協力し効率よく作業分担し、設計者には開発と品質にできるだけ専念してもらえるように心がけています。

3つ目には、後になって品質面でのトラブルが発生しないよう、常にプロジェクトとのコミュニケーションを行い、悩みやリスクを事前に解消することを心がけています。例えばプロジェクトの設計スケジュールが遅れた場合には、その原因分析をプロジェクトメンバーと一緒に行い、サポートできる部分があればサポートします。SQAの仕事は、「製品やサービスの不備があったときに進行を止める仕事」だとよく言われていますが、私の役割は「止めなくて良い製品・サービスを、プロジェクトメンバーと共に創っていく」ことだと考えています。

本社1Fクリエイティブラウンジにて
ソニー本社1Fクリエイティブラウンジにて

――SSAPの活動を通して実現したいことはありますか?

直近は、「ソフトウェアの見える化」を進めたいです。ソフトウェアの開発は進捗が見えにくい上に、目に見える形になるタイミングがハードウェアに比べると遅い傾向にあります。関係者に「今の進捗を教えて」と言われた際に、簡単に進捗をシェアでき共通認識を得られるような仕組みを構築したいです。
また、SSAPで関わったプロジェクトを通じて私自身、改めて起業の面白みや難しさを学ぶことができました。今後も社内外のプロジェクトに積極的に携わり、現在の私の興味分野である医療や食・教育などのアイデアを持っている人・プロジェクトがあれば是非サポートをしていきたいです。また常に自分の視野も広げていきたいと考えています。

――オフの楽しみを教えてください。

最近は外出することが減ったので、自宅で音楽を聴く時間が増えています。この写真の背景に映っているのそのコレクションの一部です。以前買ってはいたものの聴いてなかったCDを引っ張り出して聞いております。買ったCDはジュークボックス※のようにNAS(ネットワーク接続ハードディスク)に取り込んでいます。また、最近見たドラマや映画の原作本などをちょこちょこ買って読んでいます。

※ 自動的にレコードをかける装置。お金を入れて選曲ボタンを押すと、指定した曲が聞ける。

――最後に一言お願いします。

2020年12月にオープンした「SSAP Open Innovation Village」の新設も一部お手伝いさせていただき、大変な面もありましたが良い経験・刺激になりました。今後ぜひ、多くの企業・団体の方にご利用いただければと思います。
また今後、ソフトウェアやSQAの観点でサポートさせていただくプロジェクトも増えていくと思いますので、お互いに切磋琢磨しつつ、プロジェクトが良い形で成功できるよう支援していきたいです。

あらゆる人に起業の機会を。

Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から6年間で、60件以上の事業化検証、16の事業を創出(2020年12月1日時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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