本連載は企業内新規事業に従事する方にアンケートを行い、 企業内新規事業の"リアル"に迫る企画です。
第21回のテーマは、「新規事業の提案が承認されなかった理由 ―上層部の知識編―」。提案が通らなかった理由として、上層部に特定の業界や技術に関して理解してもらえなかったことが回答として多く挙げられました。具体的にどのような課題があるのでしょうか?
Q.新規事業を推進する上で、新規事業の提案書や企画書・事業計画書などを経営陣に提案し承認を得ようとした経験がある方へ。提案が通らなかった時、何が不足していたと考えられますか?
(※複数回答可/経営陣に新規事業の提案を行ったことがあると回答した214名が回答)
事業計画は、あくまで相手に分かるように伝えるということが重要です。特に既存事業からの飛び地で新規事業を提案する際には、基礎知識も含めた必要な情報をいかに分かりやすく説明できるかが肝心といえます。今回の調査では、特に「上層部の新市場に関する知識」が無かったために承認判断してもらえなかったというケースが35%で、「上層部の技術的な知識不足」よりも多いという結果になりました。この2点においては企業規模別の大きな差は見られず、どの企業においても共通して立ちはだかる壁となる可能性があります。承認を得るためには、市場調査結果とニーズを証拠として客観的に数値で示すことが非常に重要だと考えられます。
寄せられた回答の中には、「新規事業の創出については既存の事業に捉われず、新市場への提案も問題無いということだったが、いざ提案すると新市場への抵抗感が非常に大きかった(係長)」「上層部の目的が新規事業の立ち上げではなく、新規事業の検討だったと考えられる(課長)」などの意見もあり、事前に経営層の真意を把握することも重要なようです。
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