2022.10.24
新規事業組織の"リアル"大解剖

#20 新規事業の提案が通らなかったときの原因 企業規模別で違いが大きかったのは?

本連載は企業内新規事業に従事する方にアンケートを行い、 企業内新規事業の"リアル"に迫る企画です。
第20回のテーマは、「企業規模別で比較 新規事業の提案が承認されなかった理由」。提案が通らなかった際は何が不足していたのか、企業規模によりその理由に違いがあることが分かりました。

(調査概要:2022年6月~7月、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)の公式サイトで実施した、企業内新規事業に従事する274名へのアンケート)

Q.新規事業を推進する上で、新規事業の提案書や企画書・事業計画書などを経営陣に提案し承認を得ようとした経験がある方へ。提案が通らなかった時、何が不足していたと考えられますか?
(※複数回答可/経営陣に新規事業の提案を行ったことがあると回答した214名が回答)

事業のパーパス・ビジョン:300人以上の企業11%、300人未満の企業 24%、収益化シナリオ:300人以上の企業50%、300人未満の企業34%、拡大シナリオ:300人以上の企業33%、300人未満の企業20%、技術・事業モデルの優位性:300人以上の企業37%、300人未満の企業28%

従業員数300人未満の企業と300人以上の企業で比較した際に、差が大きかった項目は何だったのでしょうか?300人未満の企業では「事業のパーパス・ビジョン」を不足点としてあげた方が比較的多い一方、300人以上の企業では「収益化シナリオ」「拡大シナリオ」「技術・事業モデルの優位性」の回答比率が高いという結果になりました。
この背景として、300人以上の大企業においては新規事業への投資金額等の理由からビジネスの収益性をよりシビアに見られる傾向が強いと考えられます。そのため技術や事業モデルの競合優位性についても入念にリサーチしたうえで提案することが必要なようです。

この他、提案が通らなかった理由として300人未満の企業からは「自社のみでは無く、他社の協力が必要だった(経営者・役員)」といったリソース不足の問題が、300人以上の企業からは「既存事業と競合になる可能性があった(部長)」「事業規模が不十分(係長)」などの意見が見受けられました。

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Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は、「あらゆる人に起業の機会を。」をコンセプトに、2014年に発足したスタートアップの創出と事業運営を支援するソニーのプログラム。ソニー社内で新規事業プログラムを立ち上げ、ゼロから新規事業を創出した経験とノウハウを活かし、2018年から社外にもサービス提供を開始。経験豊富で幅広いスキルとノウハウをもったアクセラレーターの伴走により660件以上の支援を24業種の企業へ提供。大企業ならではの事情に精通。(※ 2024年3月末時点)

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