2021.11.11
宇宙を解放!「STAR SPHERE」プロジェクトの裏側

#11 ソニー 事業開発担当 見座田 圭浩「“宇宙の新時代をソニーが切り開いた”と言えるように」

※プロジェクト名称は、2022年1月より「STAR SPHERE」に変更となりました。

ソニー・東京大学・JAXAは、「宇宙感動体験事業」の創出に向けて三者で共創契約を締結し、ソニーのカメラ機器を搭載した人工衛星の開発を開始することを発表しました。現在、SSAPが運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」にて、宇宙視点による新しい価値創出と事業探索を行う『Sony Space Entertainment Project』の共創パートナーの募集を行っています。
本連載では、Sony Space Entertainment Projectのメンバーの方々お一人ずつに、それぞれのプロジェクト参画の経緯や業務内容、プロジェクトにかける想いなどをインタビューしていきます。

今回は、ソニーで事業開発を担当する見座田 圭浩(みざた・よしひろ)にインタビューしました。

オンライン説明会には、予想を上回る約300名が参加。 

――見座田さんのプロジェクトでの担当領域と役割は?

プロジェクトの事業化では、ソニーが直接ユーザーに価値提供を行うBtoCのファンエンゲージメントの領域と、ソニーだけでは事業創出が困難な分野をパートナーと共創していくBtoBの領域があります。私は特にBtoBの領域をメインに「どうすればパートナーと宇宙で新しい価値創出が出来、お客様にも喜んでいただけるか」という視点で事業開発を担当しています。
具体的には、パートナーの新規開拓や、それらの体系的な整理・戦略立案を中心に担当しており、直近はプラネタリウムをはじめとした施設への事業展開や、メディアとの共創モデル構築などを進めています。
モノづくりだけでも、サービスやコンセプト企画だけでもない両輪で進めるからこそ、BtoCもBtoBそれぞれで多くの方に関心を持っていただいています。それらが相互に提供価値になるようなエコシステムを構築していきたいと考えています。

――ファンエンゲージメント領域・パートナーとの事業共創の領域があるのですね。6月・8月には、共創パートナー向けのオンライン説明会を開催したと伺いました。

はい、事業化に向けたパートナーの方々とのPoC(概念実証)を実施しながら、これまでアクセス出来ていなかった業界の新規開拓も行っています。2021年6月15日(火)と8月26日(木)には新たな共創パートナーを募集することを目的にオンライン説明会を開催し、それぞれ約300名の方々にご参加いただきました。説明会ではブライダル業界から寺院まで様々な業界の方と接点を持つことができ、我々の事業内容に対するニーズを改めて把握できました。

公式Webサイトのオンライン説明会バナーの画像 宇宙空間に人々のシルエットが浮いているビジュアルが表示されている
実施したオンライン説明会のイメージ図

共創パートナーの方々と事業開拓を進めていく中で、提供する体験やコンテンツをただ単に訴求するだけではお客様に魅力を理解してもらいにくいことが分かりました。我々は宇宙体験やコンテンツを通じて「次世代の育成」や「新たな文化創造」といった社会的価値や、「楽しみ」「希望」「癒し」というような精神的な価値を提供できます。これらにストーリー性を持たせ効果的に演出していくことで、パートナーとの具体的な検討が進むようになってきました。

オンライン説明会の画像 宇宙から見た地球の写真と、超小型衛星で出来ることを説明している
実施したオンライン説明会の様子

経営管理や新規事業開発を経て、宇宙領域の事業探索にチャレンジ。 

――プロジェクト参画の経緯は?

子供の頃から宇宙に興味があり、その領域で事業探索が進んでいると聞き参画させてもらいました。実は参画後に発覚したのですが、プロジェクト発足の契機にもなったイベント(2017年にソニーシティ大崎のBRIDGE TERMINALで開催された「宇宙ビジネス」講演会)に参加していたということがわかりました。事業化というエキサイティングなミッションを担当させてもらっている分、結果を出さないといけないと感じています。

――これまではどのようなキャリアを歩まれてきたのですか。

ソニー入社後は情報システムや経営管理等に携わった後、一度ソニーを退職し、転職した先で新規事業開発を行っていました。
私のキャリアの中で一番の学びとなったのが、ソニー本社での経営管理の経験です。ソニーグループの事業責任者とコミュニケーションを取る機会も多く、「自分自身が事業をドライブし、お客様に感動を届けたい」と強く感じるようになりました。志が強く面白い経営管理メンバーと接する機会が増え、様々な刺激をもらったことも良い経験でした。

開発中のシミュレーターと見座田さんの写真
開発中のシミュレーターと見座田さん

10年後には「宇宙の新時代をソニーが切り開いた」と言われるように。 

――SSAPが一部伴走していますが、どんな領域で役立ちましたか。

SSAPのアクセラレーターにはパートナー開拓を中心に様々な領域で伴走してもらっています。特に、先日開催したオンライン説明会では、全体のスケジュール策定からターゲットへの告知、事前事後の各種対策や当日の運営などで全体をリードしていただきました。
また新規のパートナー開拓の際には、幅広いネットワークを活かして接点を作ってもらい、そのお陰で事業探索をスピーディーに行うことが出来ています。柔軟に様々な面で支援いただけているため、我々プロジェクトメンバーは、事業の中身についての検討・パートナーやユーザーとのコミュニケーションに時間を使うことが出来ています。

――最後に、Sony Space Entertainment Projectにかける想いは?

10年後には「宇宙の新時代をソニーが切り開いた」と言われるような事業にしていきたいと考えています。まずはソニーならではのアプローチで、宇宙を心理的に身近な存在にしたいです。
例えば、衛星が自分にお勧めの素敵な映像を撮影しメッセージ付きで送られてくるような体験が実現できれば、自分が宇宙と能動的にコミュニケーションを取れている感覚を得られるのではないでしょうか。このように「自分が宇宙と繋がっている」「自分が宇宙で○○している」という体験に、楽しさや意義・やりがいのような付加価値を付けられるような体験事業を創り上げたいです。
これまで以上に、宇宙が身近になり、「宇宙で○○したい」というような気持ちを持つ人が増えることで新たなニーズが生まれ、それに比例して事業機会も増えていくはずです。衛星の打ち上げに向けて、今から宇宙を身近にするためにいろいろな仕掛けを行い、ソニーならではの宇宙感動体験事業を創っていきたいです。

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Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は、「あらゆる人に起業の機会を。」をコンセプトに、2014年に発足したスタートアップの創出と事業運営を支援するソニーのプログラム。ソニー社内で新規事業プログラムを立ち上げ、ゼロから新規事業を創出した経験とノウハウを活かし、2018年から社外にもサービス提供を開始。経験豊富で幅広いスキルとノウハウをもったアクセラレーターの伴走により660件以上の支援を24業種の企業へ提供。大企業ならではの事情に精通。(※ 2024年3月末時点)

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