2021.05.18
宇宙を解放!「Sony Space Entertainment Project」プロジェクトの裏側

#07 ソニー 知財・コミュニケーション担当 清水 至「宇宙開発の新たな道を拓きたい」

ソニー・東京大学・JAXAは、「宇宙感動体験事業」の創出に向けて三者で共創契約を締結し、ソニーのカメラ機器を搭載した人工衛星の開発を開始することを発表しました。現在、SSAPが運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」にて、宇宙視点による新しい価値創出と事業探索を行う『Sony Space Entertainment Project』の共創パートナーの募集を行っています。
本連載では、Sony Space Entertainment Projectのメンバーの方々お一人ずつに、それぞれのプロジェクト参画の経緯や業務内容、プロジェクトにかける想いなどをインタビューしていきます。

今回は、知財の立場からプロジェクト立ち上げを支援し、その後BtoB営業・ファンコミュニケーション等、幅広く活躍するソニーの清水 至にインタビューしました。

知財の立場での参画から、BtoB営業・コミュニケーション戦略まで。

――清水さんのSony Space Entertainment Projectでのご担当領域と役割、業務内容をお教えください。

私はこのプロジェクトには、最初は知財部門における新規開発・事業の探索担当者として参画しました。プロジェクト立ち上げ時は、ソニー・JAXA・東大三者の契約締結のための交渉や、事業機会探索等を行いました。
その後、無事プロジェクトが始動してからは、2020年5月からの約半年間、事業企画や協業パートナー探しのためのBtoB営業、2021年からはプロジェクトのファンコミュニティ形成のためのコミュニケーション戦略等を担当しています。BtoB営業では、テレビ局等のメディア系企業からデータ販売のプラットフォーム、教育、アニメ等様々な領域にアプローチしました。コミュニケーション戦略の点では、プロジェクトのWebサイトやSNS、イベントの企画運営等を行っています。

JAXAの施設内でプロジェクトメンバーの人たちが並んでいる写真
プロジェクトメンバーでJAXAを見学した際の様子

――Sony Space Entertainment Project参画の経緯をお伺いできますか?

私は、このプロジェクトがボトムアップ活動として発足してから約1年経った頃の2018年9月頃に参画しました。当時私は、知財部門のなかの知財インキュベーション部という部署に所属しており、将来のビジネスを保護するための新規特許の獲得や、外部の先端技術知見を社内に呼び込んでの協業支援を行っていました。その一環で、宇宙分野で何かソニーとしてできることはないかと模索しているタイミングでした。
最初に私が話したのは、本村さん。当時の彼は「JAXA・東大と契約締結し活動を公式化したいが、受け皿となる部署がない」と仰っていました。知財として何か力になれないかと思ったと同時に、ボトムアップ活動で作られたモックアップを見せてもらって、感激したのを覚えています。「社外とのボトムアップでここまでやっているんだ」という点が一番の驚きでした。そこから、まずはボトムアップのメンバーとして仲間に入れていただいて、社内外との交渉にも着手しました。

――特に今回のような三者の取り組みでの契約締結は、知財観点でかなり難易度が高いのでは? 

はい、まずは社内のマネジメントの方々に報告をして、適切な部署でこのプロジェクトを実現できないかを模索しました。その結果、この領域での先行探索を目的に、まずは知財部門として契約を締結することに。JAXAの制度、JAXAと企業が共同で宇宙関連事業の共創に取り組む「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」等を活用して、2019年6月にようやく契約を締結しました。知財担当としては、秘密情報や成果物の取り扱い等の点で注意して交渉しながら、活動を公式に行って展開すべく奔走しました。

会議室の机の上にノートパソコンや資料を広げてプロジェクトメンバーが話し合っている写真
ソニー・JAXA・東大の三者でのミーティングの様子

――契約締結にあたり工夫したポイントはありますか? 

JAXA・東大からは宇宙の知見を、ソニーからはイメージングに関する技術を、というように互いの強みを持ち寄りながら、将来にわたりプロジェクトがスムーズに進むような枠組みを提案しました。
無事契約が締結してからは、1年間開発テーマや事業機会の探索を行い、宇宙エンタテイメント準備室の発足後にはSony Space Entertainment Projectのメンバーとして、知財以外の領域でも活動をしています。

いつか「このプロジェクトが宇宙開発の歴史をつくった」と言えるように。

――これまではどのようなキャリアを歩まれてきたのですか?

私は2009年にソニーに入社後、知財領域でキャリアを積んできました。最初の数年間は特許部にて光ディスクや半導体レーザー、カメラ等の知財戦略を担当。ここでは研究開発部門や事業部のサポートを行っていました。
その後知財インキュベーション部にて、先端技術領域での社外との協業やスタートアップの支援等を行っています。知財インキュベーション部のミッションは、社内横断的な活動や社外との接点を活かし、知財戦略を絡めての中長期的探索を行うことです。プロアクティブに外部の企業や機関との連携を図りながら、新規開発テーマに繋がる技術や、新規事業の芽を探していました。

――なるほど、知財の観点からビジネスが生まれるケースもあるのですね。

はい、知財は研究開発部門や事業部とも異なる視点をもってアプローチができるので、新規事業機会も含めて、ソニーの可能性を拡げるべく探索を行っています。
前述のように、知財インキュベーション部での動き方はプロアクティブにフットワーク軽く動くことが求められているので、そこでの経験はBtoB営業や現在担当しているプロジェクトでのコミュニケーション戦略等に繋がってきていると思います。

――最後に、Sony Space Entertainment Projectにかける想いをお教えください。

このプロジェクトでは、日々新しい情報が入ってきて、日々活動が進化していっています。メンバーそれぞれの想いが熱い分、時には意見が対立することもありますが、活動が前に進むにつれて、色々なものが形になり、粒が揃ってきている感覚があります。

我々はプロジェクトとして、「宇宙を解放する」という大きなビジョンを掲げています。プロジェクトの立ち上げ時からメンバーがこのビジョンをぶれずに掲げ続けてきたことにより、メンバー間での共通認識が醸成されたと共に、私を含めた多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、プロジェクトが大きくなり発展してきたのだと思っています。
これから宇宙は一般人にとってもますます身近になり、特にいまの子どもたちは実際に宇宙に行く世代になると思います。その時代の流れのなかで、「Sony Space Entertainment Projectが宇宙開発の新たな道を拓いた」と言えるようになればいいと考えています。

ウェブ会議サービスの画面が宇宙の背景になっている、六人の男女の顔が映し出されている写真
ソニー社内向けに行ったオンラインイベントの様子

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