2021.06.21
宇宙を解放!「Sony Space Entertainment Project」プロジェクトの裏側

#08 ソニー SSAP 泉谷健介・三浦泰子・木村隆志「“宇宙の解放”のビジネス展開の成功を」

ソニー・東京大学・JAXAは、「宇宙感動体験事業」の創出に向けて三者で共創契約を締結し、ソニーのカメラ機器を搭載した人工衛星の開発を開始することを発表しました。現在、SSAPが運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」にて、宇宙視点による新しい価値創出と事業探索を行う『Sony Space Entertainment Project』の共創パートナーの募集を行っています。
本連載では、Sony Space Entertainment Projectのメンバーの方々お一人ずつに、それぞれのプロジェクト参画の経緯や業務内容、プロジェクトにかける想いなどをインタビューしていきます。

今回は、SSAPにて本プロジェクトの市場選定、BtoB営業やパートナー選定のサポートを行ったアクセラレーターの泉谷 健介、三浦泰子、木村 隆志にインタビューしました。

市場の選定、顧客・パートナーへの周知、営業の実行等で、プロジェクトに伴走。

――SSAPのSony Space Entertainment Projectでの役割は?

泉谷:SSAPは2020年7月からプロジェクトのサポートをしており、具体的にはポテンシャルのある市場の選定、BtoBビジネスの顧客やパートナーとなり得る層への周知、営業・パートナー選定の実行等のサポートを行っています。今回のプロジェクトを成功させるためにはマネタイズが必要であり、その実現のために協業パートナーを選定し、顧客となり得る層を定義し営業を行うことが不可欠でした。
SSAPのアクセラレーターには各専門分野のスペシャリストがおり、数名の体制でサポートしました。私は想定顧客定義や営業戦略立案等を担当し、三浦がSSAPの運営するウェブマーケティングサイト「First Flight」を活用した協業パートナーの募集告知関連を、木村がビジネス展開にあたる市場ニーズ調査を担当。また小林が事業アドバイザーや宇宙業界の有識者紹介サポート等を実施しました。

泉谷 健介さんの写真
SSAP 泉谷 健介

三浦:「First Flight」には法人様お問い合わせ窓口があります。この機能を利用し、2020年9から様々な法人様に対し、このプロジェクトに興味を持ってくれる方々を広く募集しました。事前にプロジェクトメンバーと共にパートナー候補のイメージやプロジェクトとしてのアピールポイントを議論し、その内容を反映したページを掲載。また他にも、SSAPで主催しているイベント等でプロジェクトの告知を行う等、なるべく多くの方々の目に触れるような対応を行いました。
またSSAPのサイトでのインタビュー記事掲載と、First Flightへの導線設置によりプロジェクトの状況を把握していただいた方に興味をもっていただけるようSSAP内の各チームと協力しながら対応しました。

木村:ニーズ調査ではソニーのグループ各社のアンケートモニターを活用して、プロジェクトが考える「コンセプト」の一般顧客への受容性調査を行いました。具体的には、「地上から宇宙の衛星カメラを自分の手で自由に遠隔操作できる」「宇宙空間や地球上の好きな場所を、リアルタイムで見たり撮影することが出来る」ということに魅力を感じるか、有料でも利用してみたいか、またその理由や実際にどんなものを見たり撮影してみたいかを、客観的・定量的なデータとして取得しました。結果として、我々の予想以上にポジティブな反応や、色々と参考になる声が集まりました。

――ビジネス展開に不可欠なBtoB営業、協業パートナー選定等をサポートしたとのことですが、どのようなアプローチを取ったのでしょうか。

泉谷: 最初は、以下のような想定ユースケースから顧客・協業パートナーとなり得る企業・団体をリストアップするところから始めました。SSAPや株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが持っているチャネルを使用したり、First Flight経由で協業パートナーを募集したり、足りない部分はデータベースから地道に洗い出したりし、100弱の企業を連ねたロングリストを作成しました。

想定ユースケースの一部について メディアアート、ドキュメンタリ制作、教育人材育成
想定ユースケースの一部

三浦:First Flightでは様々な業界から20件以上のお問い合わせをいただき、ほぼ全ての方とオンラインミーティングを行いました。そして役割分担を決め、順次対応を行っていきました。プロジェクトリーダーと確認しながらお客様をなるべくお待たせしないよう、タイムリーな対応を心掛けました。現在も引き続きクリエイターやビジネスパートナーの募集を行っており、お問い合わせ件数も増加しています。

泉谷:次のフェーズで行ったのが、そのロングリストへのアプローチです。商談を進める段階では宇宙エンタテインメント準備室(現「推進室」)のメンバーの方々と一緒に、色々な面で工夫しました。例えば沢山の企業と並行して商談を進めるため、企業のカテゴライズや金額感、各社とビジネス展開を進める場合のシナリオ等、情報を一覧化し比較できるようにシートでまとめるサポート等もしました。

まだ世の中にない“新しい”コンセプトに、投資をしてもらうために。

――宇宙を舞台にしたビジネスで、顧客や協業パートナーと話を進めるのは難易度が高そうです。

泉谷:そうですね、プロジェクトが目指すのは「宇宙感動体験事業」の創出をテーマに、2022年打ち上げの人工衛星によって実現するビジネス。商材がまだお客様に見える形になっていないことや、エンタメ要素が強いため、商談で具体的なイメージを持ってもらうことが難しかったです。ご提案に伺ったはずなのに、気が付けば双方の熱量の高まりから、顧客や協業パートナー候補の皆様とブレストになっていることも多く、そういった場面ではうまくファシリテートすることを心がけました。宇宙の持つ可能性を共有しつつ、ビジネスにいかに結び付けるかを顧客と一緒に考えるケースもありました。

木村:商談の場面では、私が担当させていただいたニーズ調査で得た一般顧客の声のデータが役立ちました。
泉谷も申し上げている通り、プロジェクトのコンセプトは全く新しいものであり、我々がいくらコンセプトを熱心に提案しても、パートナーの皆様にとっては、一般顧客に刺さるものなのか、本当にマネタイズできるか等を、客観的に判断できず悩まれる一面がありました。そんな時に、ニーズ調査で取得した一般顧客の声が役立ちました。客観的なデータがあることで先方も投資判断をしやすくなったのです。

SSAP 木村 隆志さんの写真
SSAP 木村 隆志

――泉谷さん・三浦さん・木村さんそれぞれの、これまでのキャリア・現在のSSAPでの業務内容をお教えください。

泉谷:現在はSSAPでプロデューサーとして、ソニーグループ内外のプロジェクトの事業検証から事業化、事業運営までを事業企画の観点から支援しています。
これまでは、ソニーを含めて計4社で、ビジネス開発、マーケティング、商品企画などの仕事でキャリアを積んできました。ソニー入社前は、外資系・日系のIT企業でアライアンスマーケティング、システムコンサルやプロジェクトマネージャー等に携わっていました。ソニー入社後はドバイ駐在等を経てBtoBtoC向け空間音響商材の新規事業のビジネスオーナーとして立上げからEXITまで担当しました。

三浦:私は現在、SSAPでプロデューサーとしてソニーグループ内外案件、海外案件等のプロジェクト支援を行っています。過去に技術開発に携わった経験が長いため、技術を活かした用途探索、事業開発を中心に支援を行っています。ソニーでのキャリアとしては、本社部門や事業部、研究所、海外赴任等の様々な環境で、新規事業の立ち上げやプロジェクトマネジメント、他社とのアライアンス等を幅広く経験してきました。またベルギーの研究開発拠点に赴任し、新規プロジェクト立ち上げに携わったこともあります。

SSAP 三浦泰子さんの写真
SSAP 三浦泰子

木村:私はSSAPで、宇宙・映像制作・医療ヘルスケア・教育・住宅・食品・農業等、幅広い分野のマーケティングを担当してきました。 ソニー入社前は、マーケティングリサーチ会社にて、社外クライアントの様々な事業領域・フェーズにおける、リサーチ・コンサルティング業務に従事していました。ソニーに入社してからは、映像機器に関する商品企画業務を経て、SSAPに参画しました。ちなみに、学生時代は物理工学を専攻するような、宇宙含め科学が大好きな理系少年でしたね。

――最後に、Sony Space Entertainment Projectにかける想いをお教えください。

泉谷:宇宙を題材にした映画やゲームは数多くありますが、宇宙自身を素材にエンタメ分野でビジネスを展開するというのはまだほとんど誰もやっていないからこそ面白く、実現すると宇宙事業におけるブレイクスルーになると思います。また、このプロジェクトに取り組むのが各領域のプロであるJAXA・東大・ソニーだという点も重要です。「宇宙を解放する」というビジョン・信念を通じて、多くの方々の共感を生み巻き込めるよう支援をしていきたいと思っています。

三浦:ベルギーに単身赴任したときに月を見上げ、これは日本でも見える月だなと思ってホームシックになったこともありました。しかし逆に同じ地球にいて同じ月を見ているのだと思うと、嬉しくなり「宇宙から見れば地球は1つなんだ」と改めて感じた思い出があります。これから先、個人が宇宙を感じられるサービスをソニーが展開できたら世界が広がりますよね、すごくワクワクします。たとえば誕生日や記念日に宇宙からの映像とお祝いのメッセージがサプライズで届いたら嬉しいだろうな~、なんて想像するだけで夢が広がります。

木村:近年、SDGsに取り組むプロジェクトが増えており、私もいくつか担当してきました。その中で共通して感じることは、社会・環境問題に対する人々の意識の「自分事」化が成功の鍵であり、かつそれが意外と難しいということでした。自分事化には、自らの意思で見る・体験することが必要です。その点で、プロジェクトのコンセプトでもある「宇宙の解放」により、宇宙視点で社会・環境問題をリアリティーを持って可視化することで人々の意識を自分事化し、あらゆるSDGsプロジェクトにまで波及効果をもたらすことを期待しています。

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Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から7年間で、80件以上の事業化検証、17の事業を創出(2021年6月末時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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