ソニーグループ株式会社(以下ソニー)と京セラ株式会社(以下京セラ)、DIC株式会社(以下DIC)、株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、スタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテスト「Startup Switch 2021」を開催し、ビジネスプランの募集を行っています。
「Startup Switch 2021」は、独創的なアイデアやテクノロジーを活用して持続可能な社会創出を目指すスタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテストです。起業家のチャレンジを応援するとともに、審査を行う4社との接点を持つことで、スタートアップにとって変化点となる機会を提供します。
今回は、Startup Switchを立ち上げた、ソニーグループ株式会社 Sony Startup Acceleration Program責任者 小田島 伸至に、Startup Switch 2021開催の目的や企業間連携をすることになった背景をインタビューしました。
大企業とスタートアップの接点を創り、社会的なうねりに変えていく。
――Startup Switch2021開催の目的は?
現在、社会には沢山の課題があり、沢山のスタートアップ企業がその解決に邁進されています。そういった活動は大変意義深い活動が多い一方で、始まったばかりで規模が小さいことが多く、日常生活の中ではあまり目立ってきません。そこで私達は、この未来の社会の源泉であるスタートアップにハイライトし、盛り上げていく場を提供したいと思っています。皆さまがどんな社会課題に気付きどう解決していこうとしているのか。それを周知することで共感を呼び仲間を増やし社会的なうねりに変えていく、そういったお手伝いができればと考えています。
――大手企業と組んで開催することにした背景は?
スタートアップの成長を助ける一つの手立てが大企業との連携だと思います。実際にSSAPが支援したスタートアップの多くも、大企業のノウハウの活用や、事業部との連携等によって大きく成長しています。スタートアップの持つ斬新なアイデアを、大企業の持つ熟練したノウハウやアセットでサポートすると上手くいくケースを何度も見てきました。この組み合わせの機会が増えれば、もっとうまくいく事業が増えるのではないかと思っています。
スタートアップから見れば協業の選択肢は多い方が良いですから、目的に共感してくださった今回の各企業様と組んで開催することにしました。大企業側も新規事業創出に真剣で熱量の大きい企業に参画していただいています。
Startup Switchから生まれる繋がり。スタートアップとの出会いを楽しみに。
――SSAPが京セラ、DIC、LIXILと接点を持ったきっかけは?
SSAPは元々、社内起業のプログラムとして2014年にスタートしました。その後、同様の課題をもった社外からのリクエストに応える形で、2018年から社外にもプログラム提供を始めています。私共としては新規事業立ち上げのお手伝いをしながら、同時に共創機会を創ることを狙っています。
これまでに企業内の新規事業やベンチャー企業の方等にお使いいただき、103件(16業種)のサービス提供をしてきました(2021年5月末時点)。その中で、京セラ様、DIC様、LIXIL様にも当プログラムに参加していただいておりましたが、今回の企画をお話したところ、強く共感してくださりご参画いただくことになりました。こういった志を共にする企業様と相乗効果を創りながら、優れたスタートアップに着目したり、新規事業に関する対話を増やしたりすることで、新規事業創出のスピードと確率を上げていければと思っています。
――過去のStartup Switchの受賞者はどのようなスタートアップでしたか?
Startup Switchはこれまで計2回、ソニー単独で開催しました。どの受賞企業様ともその後関係が発展しています。例えば、H2L株式会社 (第1回優勝)と株式会社Shippio(第2回優勝)にはソニーのコーポレートベンチャーキャピタル「Sony Innovation Fund」が出資しました。その他にも、Pale Blue株式会社(第2回優勝)とは、現在東大・JAXA・ソニーで立ち上げた宇宙感動体験事業プロジェクト「Sony Space Entertainment Project」で連携しています。
――スタートアップの方々に向けたメッセージをお願いします。
過去の受賞者の方々のように、Startup Switchを通じて、ソニーとの関係作りも視野に入れながら将来のお互いの成長に繋がる機会を生んでいけたらと思っています。
SSAPは発足以来、多くのスタートアップを支援しながら多くの学びやエネルギーをいただいて参りました。今回も斬新なアイデアと実行力をもったスタートアップの皆さまとの出会いを楽しみにしています。