2021.10.20
Startup Switch 2021

ソニー賞 グランプリ DataLabs株式会社|デジタルツインの社会実装で、最適化された社会の実現を

「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」を募集テーマに、ソニーグループ株式会社(以下ソニー)と京セラ株式会社(以下京セラ)、DIC株式会社(以下DIC)、株式会社LIXIL(以下LIXIL)で開催した、スタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテスト「Startup Switch 2021」。
今回は最終審査会でソニー賞 グランプリを受賞したDataLabs株式会社(※敬称略)についてご紹介致します。

 

■ DataLabs株式会社ご紹介

DataLabs株式会社 代表取締役 田尻大介さん
DataLabs株式会社 代表取締役 田尻大介さん

―――御社の事業内容について教えてください。
弊社のミッションは「デジタルツイン(※1)の社会実装」を通じて、最適化された社会の実現に資することです。近年、建築土木や都市開発、交通、エネルギーインフラ等の業界において、生産性向上の手段の1つとしてデジタルツインの構築・活用が急務となっています。一方、その利活用には高額なツールと高い専門性が求められ、社会実装のハードルとなっております。
この課題解決として弊社は三次元計測にも対応しつつ、点群データの自動三次元モデリング(BIM/CIM化等(※2))及び、熱流体や気流、構造解析等の各種シミュレーション(CAE解析(※3))機能をSaaSで展開。UI/UXを充実させデジタルツイン実現のハードルを極限まで低減します。これにより生産性向上をはじめ、業界横断的に対応が迫られる多様な社会課題の解決に寄与いたします。

※1:現実の世界から収集した様々なデータをコンピューター上で再現する技術。限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能になる。
※2:建築工事や土木工事において三次元のデータと各種データを結びつけて活用していくこと。
※3:設計した製品を実際に作る前にパソコンでシミュレーションすること。
デジタルツイン技術を用いた解析のステップ(イメージ)
デジタルツイン技術を用いた解析のステップ(イメージ)

―――Startup Switch2021に応募されたきっかけは?また印象的だったことがあれば教えてください。
元々SSAPは存じており、魅力的な取り組みだったので応募したいと考えておりました。
他のオープンイノベーションにおいては課題が事前に設定されていることもあったりする中、Startup Switch 2021では「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」とテーマが広くセットされていたことから、自分たちのサービスや将来像がどう持続可能な社会に貢献できるか、という観点でピッチ資料や発言内容をブラッシュアップする必要がありました。
審査においても事業計画や数値目標に対する具体的な質問もあり、自社の状況を包括的・定量的に説明できる状態で挑む必要があったのでチャレンジングでした。これらの検討作業は大変ではありましたが第三者的な視点から全体プランを再整理する機会ともなり非常に有意義でした。


―――今回ソニー賞 グランプリを受賞されましたが、実際に受賞されてみていかがですか?
大変名誉な賞を頂けて感謝しています!
最終選考会では遮二無二説明しておりましたが、こうして評価していただいた今、素直に嬉しい気持ちを噛みしめています。今後はプログラムを通じてソニー様とビジネスプランの練り直しや連携可能性の模索等、具体的な作業に入っていくと理解しておりますが、楽しみながらも実のある成果を創出していきたいと考えております。


―――今後の期待と展望は?
ソニー様では様々な事業を展開されていると理解しており、中でも映像制作やコンテンツビジネス等における点群データの利活用の可能性については是非意見交換させていただき、どのような連携や共創可能性があるかを模索させていただきたく考えております。弊社では点群データの取得から、それらを機械学習等も用いながら自動モデル化することや、独自に解析アルゴリズムを構築することも行っております。
ソニー様の様々な技術の中に弊社の要素技術をミックスしてどのような社会課題やニーズに対して訴求していくことができるかを考えていける可能性にとてもワクワクしております。これまでソニー様の事業領域は弊社として知見が十分にある分野ではないですが、だからこそ新しい視点や考え方、市場ニーズや新技術に触れられることができ、そこから思わぬシナジーが生み出せるのはないかと思っております。今後は3か月のプログラム期間の中で事業計画をブラッシュアップするだけでなく、上記のような刷新的な視点で新規事業創出も目指せたらと意気込んでおります。

最終審査会での授賞式の様子
最終審査会での授賞式の様子

■ 審査員コメント

ソニーグループ株式会社 Sony Startup Acceleration Program責任者 小田島 伸至
「この度は多くのスタートアップや起業予定の皆様にご参加頂きありがとうございました。着眼点はどれも素晴らしく社会的価値も高いものばかりでした。その中で数件選ばないといけないのは非常に難しかったですが、今日時点、比較的ニーズとソリューションがリアリスティックな提案を選ばせて頂きました。
DataLabs株式会社様のビジネスモデルがしっかりできている点、更にコアを作って広げていくというアーキテクチャーの構想を仕込んである点が素晴らしいと思いました。また、その結果として中小企業の活性化に繋げていきたいというマインドセットにも共感しました。是非多くの方を巻き込みながら成長させていって頂きたいと思います。」

 

Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、760件以上の支援を25業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2024年10月末時点)

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