2021.07.05
Startup Switch 2021

LIXIL|快適な暮らしの実現、社会課題の解決を

ソニーグループ株式会社(以下ソニー)と京セラ株式会社(以下京セラ)、DIC株式会社(以下DIC)、株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、スタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテスト「Startup Switch 2021」を開催し、ビジネスプランの募集を行っています。

「Startup Switch 2021」は、独創的なアイデアやテクノロジーを活用して持続可能な社会創出を目指すスタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテストです。起業家のチャレンジを応援するとともに、審査を行う4社との接点を持つことで、スタートアップにとって変化点となる機会を提供します。

今回は、Startup Switch 2021のコラボレーション企業・審査員である、株式会社LIXIL 理事 LIXIL Housing Technology Japan ビジネスインキュベーションセンター センター長 羽賀 豊さんにインタビューしました。

住まいにおける世の中のニーズをつかみ、新たなビジネスを生み出す。

――羽賀さんのご担当領域は?

住まいにおける開口部から内装・外構まで幅広い建材製品を開発・提供する事業体「LIXIL Housing Technology Japan」にて、事業の持続的成長に向け新しい事業領域へ挑戦しています。LIXIL Housing Technology Japanでは、例えば、サッシ・マド周り・玄関ドア・インテリア・エクステリア・構造体といった商品・サービスを扱っています。

その一環として、新たなビジネスの可能性を検証し成長させていくべく、新規事業部門「ビジネスインキュベーションセンター(BIC)」を2年前に立ち上げました。ここでは、既存の事業では実行が難しい領域において、世の中のニーズを掴み、付加価値の高い商品やサービスを素早く市場投入することで新たなビジネスを生み出すために、さまざまな活動を行っています。

LIXIL Housing事業のイメージ図
Housing事業のイメージ図

――LIXIL内での新規事業やオープンイノベーション等の取り組みはありますか?

BICには若手メンバーが多く所属しており、1つの新規テーマをほぼ1人で推進しています。新規事業立ち上げ経験の無かったメンバーがほとんどでしたが、既に市場に製品をいくつかローンチしました。現在も次の成長ステップにむけて活動を進めている段階です。

LIXILの既存事業活動では知見が薄い「新規エリア」で事業を始めていく上で、例えば市場規模や成長性、顧客ニーズ・競合、必要な技術、コスト、コミュニケーション、デリバリーなど、多岐に渡る不確実な課題が山積みされています。そのため新規事業を立ち上げた経験や肌感を持っていないと、先々を見てテーマを進めていくことは相当難しいことだと感じます。
そんな中、大きな投資や期間を掛けずリスクを最小限に抑えながら手早く前に進めていくため、「リーンスタートアップ手法」等を活用しています。事業を作る段階で、製品価値を必要最低限に絞り込み、実在の顧客を見つけ、小さな実験を繰り返して市場で学び、1つ1つ課題を明らかにして段階的に成長のストーリーに乗せていく。これはLIXILのような規模の企業の中でも、経験のないメンバーにとって有効なプロセスだと実感しています。

着手から約1年でローンチした「DOAC」。

――SSAPとの取り組みの事例は?

電動オープナーシステム「DOAC(ドアック)」は、SSAPに伴走いただきつつ、ほか多くのパートナーの方々にも協力いただき、着手から約1年でローンチしました。BIC初のローンチとなった、玄関ドアに部品を後付けするだけで開き戸が自動ドアに簡単にリフォームできるという画期的な製品です。SSAPにはユーザーインタビューの方法から、全体の事業プランニング・コミュニケーションデザインを中心に伴走いただきました。

新規事業の始めの一歩をサポートしてくれる協業先を探していた時、出会ったのがSSAPでした。LIXIL内での新規事業を「リーンスタートアップ手法」で始めるといっても、自社で実際にやったことがなかったため、ソニーグループの各事業体や機能・アセットを持ち、企業内で新規事業を立上げた実績・モノづくりのノウハウを持つSSAPのサポートはとても参考になりました。
これにより、今まで取り組みがなかなか進まなかった福祉関連分野でDOACをベースに具体的な活動が進んでいます。

DOAC製品イメージ
DOAC製品イメージ

――DOACに続き、他の領域でもご一緒させていただいています。SSAPと組んで良かったことは?

BtoCのコミュニケーションデザインでは、学ぶ点が多くありました。

LIXILの建材の分野では、主にBtoBtoCとして流通店様や工務店様を中心に販売導線やコミュニケーションツールなどを用意しており、toCに向けたダイレクトなコミュニケーションを行う機会は多くありません。そのためソニーグループが持っているBtoCの伝達方法や表現ノウハウ、それをユーザー接点に落とし込むためのカスタマージャーニーの整理などは、DOACの立ち上げの中で気づきが多かったです。

また、その繋がりが今回の「Startup Switch 2021」への参画にも直結しており、感謝しています。色々な業界の人たちと繋がることは、新規事業の分野のみならず既存事業の分野にも、自分たちだけでは気づけない刺激を得られ、様々な良い影響があるはずです。

接点を広げ、連携して社会課題を解決したい。

――「Startup Switch 2021」でスタートアップとの接点に期待していることは?

LIXILでは、事業の持続的成長に向けて、新しいビジネス領域へ挑戦しています。世の中のニーズを掴み、付加価値の高い製品やサービスを迅速に投入することが、より快適な暮らしの実現、ひいては社会課題の解決につながります。そのためには、生活者ニーズに深く精通すると同時に、独自のソリューション技術を持っているチーム・企業との連携が重要です。Startup Switch 2021を通じて、多くの企業との接点が広がることを期待しています。私たちもスタートアップの皆様に負けないよう、スピードを今以上に上げて社会課題の解決を進めていきたいですね。

株式会社LIXIL 理事 LIXIL Housing Technology Japanビジネスインキュベーションセンター センター長 羽賀 豊さん
株式会社LIXIL理事 LIXIL Housing Technology Japanビジネスインキュベーションセンター センター長 羽賀 豊さん

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Sony Startup Acceleration Program(SSAP)は、「あらゆる人に起業の機会を。」をコンセプトに、2014年に発足したスタートアップの創出と事業運営を支援するソニーのプログラム。ソニー社内で新規事業プログラムを立ち上げ、ゼロから新規事業を創出した経験とノウハウを活かし、2018年から社外にもサービス提供を開始。経験豊富で幅広いスキルとノウハウをもったアクセラレーターの伴走により660件以上の支援を24業種の企業へ提供。大企業ならではの事情に精通。(※ 2024年3月末時点)

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