2021.11.15
Startup Switch 2021

LIXIL賞 DataLabs株式会社|デジタルツインの社会実装で、最適化された社会の実現を

「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」を募集テーマに、ソニーグループ株式会社(以下ソニー)と京セラ株式会社(以下京セラ)、DIC株式会社(以下DIC)、株式会社LIXIL(以下LIXIL)で開催した、スタートアップや起業予定の個人を対象としたコンテスト「Startup Switch 2021」。
今回は最終審査会でLIXIL賞を受賞したDataLabs株式会社(※敬称略)についてご紹介致します。

 

■ DataLabs株式会社ご紹介

DataLabs株式会社 代表取締役 田尻大介さん
DataLabs株式会社 代表取締役 田尻大介さん

―――御社の事業内容について教えてください。
弊社のミッションは「デジタルツイン(※1)の社会実装」を通じて、最適化された社会の実現に資することです。近年、建築土木や都市開発、交通、エネルギーインフラ等の業界において、生産性向上の手段の1つとしてデジタルツインの構築・活用が急務となっています。一方、その利活用には高額なツールと高い専門性が求められ、社会実装のハードルとなっております。
この課題解決として弊社は三次元計測にも対応しつつ、点群データの自動三次元モデリング(BIM/CIM化等(※2))及び、熱流体や気流、構造解析等の各種シミュレーション(CAE解析(※3))機能をSaaSで展開。UI/UXを充実させデジタルツイン実現のハードルを極限まで低減します。これにより生産性向上をはじめ、業界横断的に対応が迫られる多様な社会課題の解決に寄与致します。

※1:現実の世界から収集した様々なデータをコンピューター上で再現する技術。限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能になる。
※2:建築工事や土木工事において三次元のデータと各種データを結びつけて活用していくこと。
※3:設計した製品を実際に作る前にパソコンでシミュレーションすること。
3Dシミュレーションや解析ができるプラットフォーム(イメージ)
3Dシミュレーションや解析ができるプラットフォーム(イメージ)

―――Startup Switch2021に応募されたきっかけは?また印象的だったことがあれば教えてください。
元々SSAPは存じており、魅力的な取り組みだったので応募したいと考えておりました。
他のオープンイノベーションにおいては課題が事前に設定されていることもあったりする中、Startup Switch 2021では「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」とテーマが広くセットされていたことから、自分たちのサービスや将来像がどう持続可能な社会に貢献できるか、という観点でピッチ資料や発言内容をブラッシュアップする必要がありました。
審査においても事業計画や数値目標に対する具体的な質問もあり、自社の状況を包括的・定量的に説明できる状態で挑む必要があったのでチャレンジングでした。これらの検討作業は大変ではありましたが第三者的な視点から全体プランを再整理する機会ともなり非常に有意義でした。
 

―――今回LIXIL賞を受賞されましたが、実際に受賞されてみていかがですか?
大変名誉な賞を頂けて感謝しております!
LIXIL様は住宅設備・建材メーカーの最大手として業界を牽引されておりますが、そのような会社様に評価頂き、今後協業可能性を検討させて頂けるチャンスを頂いたことはとても喜ばしいことです。自分たちの技術や事業がどのように当該業界に対して貢献していくことができるか、この機会を通じて積極的に検討して行きたい所存です。


―――今後の期待と展望は?
LIXIL様は、様々な三次元データを業務に活用されていると理解しておりますが、まずは住宅設備・建材業界において弊社の技術やサービスがどのように貢献していけるか是非勉強させて頂きたいと考えております。
住宅設備は対法人ではなくいわゆるBtoCサービスであるとも考えており、どういったビジネスモデルで事業が推進されているのか、どのような技術でどんな課題にアプローチできるのか、細かく理解していきたい所存です。弊社では点群等の三次元データから自動で図面を作成する機能や、室内空調の気流やWi-Fi等の伝播シミュレーション等も開発していきます。それらの要素を足し、LIXIL様の現状課題やニーズにアプローチすることで、結果としてエンドユーザである一般消費者に貢献できる、という連携方針を描いていきたい所存です。

最終審査会での授賞式の様子
最終審査会での授賞式の様子

■ 審査員コメント

株式会社LIXIL LIXIL Housing Technology Japan ビジネスインキュベーションセンター センター長 
羽賀 豊さん
「モデリングや3D化、シミュレーション、人材不足、ノウハウ不足という社会課題を、プラットフォームという形で総合的に解決策としてご提案されていて、非常に現実的な案でした。
こういった課題が充実しなければ日本の建設や街づくりが充実しないと思っており、DataLabs株式会社様の取り組むテーマとその解決策を高く評価させて頂きました。建築や住宅業界では色々な意味でこういった変革が必要だと思っております。既に実施されているかとは思いますが、ぜひ現場に出て行って実際の開発に落とし込んでいく活動を通じて、ビジネスを発展させて頂ければと思っております。」

 

Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、760件以上の支援を25業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2024年10月末時点)

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