Sony Startup Acceleration Program(以下SSAP)は2019年度に東京大学と、2020年度からは東京藝術大学と社会連携講座を開講しました。企業と大学・学生が連携し、スタートアップを創出する「産学協創エコシステム」の発展を目指しています。本講座では、年1回のニーズ検証結果をピッチするイベント「オーディション」を軸に、「トレーニング」、「ワークショップ」等が行われています。
今回は、12月に行われた東京大学のオーディション最終審査と東京藝術大学の社会実装PJ最終発表会の様子をレポートします。
東京大学
最終審査は完全オンライン化され、学生8組がニーズ実証結果とその先の未来構想を競い合いました。学生たちがチーム毎に、この半年間のワークショップやトレーニングによって生み出し磨いてきたスタートアップ・アイデアに関するピッチを実施。当日は審査員として東京大学工学系研究科 機械工学専攻 中尾教授が参加した他、工学系研究科 研究科長 染谷教授をはじめとする東大教員の皆様・学生に加え、SSAP責任者の小田島やアクセラレーターも出席しました。
――スタートアップ・アイデアのピッチ
学生たちは各チーム約6分間で想定顧客のニーズ検証結果と未来構想を説明した後、それぞれのチームがSSAPに求める支援要求を報告しました。メンタリングを必要とするチームや開発資金を求めるチーム等、各々のテーマやプロジェクトのフェーズによって要求項目も様々でした。ピッチ後の4分間で審査員とのQ&Aセッションを実施し、それぞれのアイデアが社会実装・文化創出の可能性があるか等の観点から様々な質問が投げかけられ、それに対して学生が回答していきました。
ピッチ中には学生が涙を流してアイデアのきっかけ等をプレゼンするシーンもあり、学生それぞれの熱く強い想いと半年間の事業開発の成果が様々な形で発表されました。
――結果発表
当日ピッチを行った学生のスタートアップ・アイデアを対象に、「チームの熱意や推進力」「社会的インパクト」などの観点で審査を行いました。グランプリ、特別賞、オーディエンス賞が用意され、それぞれの受賞チームを発表。グランプリの受賞チームには、北欧のスタートアップやデザインに触れる視察ツアー(Innovation Tour Europe)に加え、プロデューサーによる約3か月の育成支援が賞品として授与されました。
※視察の実施はCovid-19の様子を見て来年春判断
東京藝術大学
発表会はオンラインにて行われ、学生4組が講座の成果を発表しました。当日は東京藝大の先生2名に加え、SSAPのアクセラレーターや講座でメンタリングを行った方々等が参加しました。
――スタートアップ・アイデアの最終発表会
発表会では、4つのプロジェクトが「原体験・現在のプロトタイプ」と「ユーザーテストの結果」「作りたい未来」をテーマに発表しました。発表の最後には、それぞれのプロジェクトの今後の活動計画、SSAPに依頼したい支援内容を報告しました。
発表では、プロジェクトとして思い描く未来の情景、起こしたい変化についての心象風景を手書きの絵で描いたチームがいたり、言語や写真ではない形での、藝大ならではの発表が目立ちました。また4つのプロジェクト全ての発表から、アイデアを思いついたきっかけや、それを実現させたいという想いが明確で強いことが伝わってきました。
――結果発表
各プロジェクトの発表に対して、藝大の先生2名が講評を行い、最終発表会に参加したSSAPのアクセラレーターや講座のメンターが学生の発表に対してコメントをしました。
4つのプロジェクトは引き続き、社会実装に向けて活動を継続していく予定です。
SSAPは2019年度に東大と、2020年度からは東京藝大と社会連携講座を開講し、東京大学では2年目の、東京藝大では初めての講座を実施した1年間となりました。今年度のオーディション最終審査会を経て、学生達とSSAPは、スタートアップ・アイデアの更なる進化を模索して参ります。