事業化までにたくさんの壁が立ちはだかるといわれる新規事業。正解がない中、1人で悩んでいませんか?本連載では、新規事業立ち上げ支援のプロフェッショナル集団であるSony Startup Acceleration Program(SSAP)のアクセラレーターが「壁」を乗り越えるための知識や知見、事例、ノウハウなどを共有します。
今回はビジネスデザインチームの責任者としてこれまで100以上の新規事業組織やスタートアップのカウンセリングを行ってきた沼田 洋平が、「新規事業立ち上げ時の協力者・チームメンバーの集め方」について説明します。
新規事業の始まりは大きく分けて2つあると思います。
1つは会社の上層部から指示がありチームが作られるトップダウン型。もう1つは少数のメンバーからアイデアが生まれ、そこからチームを作るボトムアップ型です。どちらも大企業において一般化していますが、今回は後者のボトムアップ型のチームメンバーの集め方について解説します。ボトムアップ型でよくある課題は、自分のアイデアに共感してもらおうと働きかけてもなかなか理解されず、メンバーが集まらないことだと思います。アイデアへの共感を得るためには、3つのポイントが必要となります。
自分のアイデアに共感してもらうための3つのポイント
1つ目のポイントは、アイデアやコンセプトをまず「言語化」することです。この時に気を付けることは、単に文字にするのではなく、事業計画書を作ったり、新規事業のフレームワークを活用したりして、効果的かつ論理的に伝えることです。頭の中にあるアイデアを他の人が理解できるように言語化するには、工夫やコツが必要といえます。
SSAPでは無料のWEBアプリ「StartDash」を活用することで、アイデアを論理的に言語化、具体化することをお勧めしています。StartDashで設定されている質問は、「顧客は誰か」「その顧客の課題は何か」を考えることから始まり、顧客の課題を解決する「必要最低限の機能は何か」、それらを「いくらで販売するか」といった、アイデアを整理するためものです。質問に答えていくだけで事業計画書を作成できるため、スムーズにアイデアを整理することができます。論理的かつ相手にもわかる共通言語で伝えるだけで、アイデアに共感してもらえる可能性は飛躍的に上がるのではないでしょうか。行き詰まった場合には、事業化経験があるアクセラレーターがサポートすることも可能です。ビジネスモデルのまとめ方のアドバイスや、アイデアの確からしさを検証する支援も行っています。
アイデアに共感してもらうための2つ目のポイントは、言葉だけではなく、一枚の絵、動画、簡易的なプロトタイプ等、アイデアを「ビジュアル化」することです。「ビジュアル化」された一枚の絵や動画は、視覚的な情報量が多くなるため、アイデアに対する「理解」に加え、「共感」を得やすくなります。そのため、「ビジュアル化」は仲間を集める上でとても有効です。自分自身でビジュアルを作ることが難しい場合は、
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