事業化までにたくさんの壁が立ちはだかるといわれる新規事業。正解がない中、1人で悩んでいませんか?本連載では、新規事業立ち上げ支援のプロフェッショナル集団であるSony Startup Acceleration Program(SSAP)のアクセラレーターが「壁」を乗り越えるための知識や知見、事例、ノウハウなどを共有します。
今回は子どもの仕上げ磨き専用歯ブラシ「Possi」でプロデューサーを務めるなど、様々な新規事業のプロジェクトチームに伴走支援を行ってきた宮崎 雅が「新規事業プロジェクトチーム作りのコツ」について説明します。
まず念頭に置いて頂きたいのは、新規事業はスピードが命だということです。いかにスピード感を持って進めていけるかが鍵となります。そこで、「スピーディーに進めるためには何をすべきか」という観点からブレイクダウンして具体的なチームの人数やメンバーの特性について言及していきます。
新規事業をスピーディーに進めるためのチーム作りの3つのポイント
チームを立ち上げ新規事業を進めていくにあたり気を付けるべきポイントは大きく分けると「チームの規模」、「メンバーの特性」、「メンバーとの共通言語づくり」の3つです。
まず、チームの規模は立ち上げて間もない時期は小さい方が良いです。
プロジェクトチームが立ち上がったばかりの初期段階では、日々やることが変わっていきます。そのためメンバーとの意思疎通の面でも機動力を高める面でも、少ない人数のチームが良く、具体的には3~6人ほどが理想的です。
チーム作りのポイント2つ目は集めるメンバーの特性です。
メンバーの特性に関しては「リーダーの描くミッションやビジョンへの共感」と「柔軟性」が重要となります。
まず、前者の「リーダーの描くミッションやビジョンへの共感」について解説します。
新規事業においては先が見えない、当初描いていたアイデアからピボットせざるを得ないなどの状況が多く起こります。そうした中でアイデアの先にあるリーダーが創りたい世界、目指すべき方向性といったミッションやビジョンがチーム内で共有ができ、共感を得られていれば、困難な場面でもメンバーとの大きなすれ違いを防ぐことができ、変化に対応しながら新規事業を進めることができます。
逆にチームのメンバーがミッションやビジョンに共感ができていない状態だと、困難な状況に陥ったときにチームが空中分解し、新規事業をスピーディーに進めることができません。例えば、当初想定していたアイデアから少しずれるだけで「それは私がやりたかったこととは違う」といったメンバーのモチベーションの低下を招くかもしれません。このような想定外の事態が連続すると、チームメンバーの離脱につながる可能性があります。
そのためアイデアへの共感だけでなく、リーダーのミッションやビジョンに共感ができるメンバーを集めるべきです。
次にチームメンバーの特性における「柔軟性」の重要さについて解説します。
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