2019.7.22
「REON POCKET」クラウドファンディング舞台裏
#01 REON POCKET誕生秘話
Interview

Sony Startup Acceleration Program(以下SSAP)では、2014年から社内を中心とした新規事業創出プログラムを始め、5年間で14の事業を立ち上げてきました。2019年7月22日(月)には、SSAPのオーディションを通過した新規事業アイデア、インナーウェア装着型冷温ウェアラブルデバイス「REON POCKET」のクラウドファンディング開始を発表。そんな「REON POCKET」のクラウドファンディング舞台裏を、連載にてご紹介してまいります。

今回は、「REON POCKET」プロジェクトリーダーの伊藤陽一に、アイデアが生まれたきっかけやクラウドファンディングに至るまでのストーリーをインタビューしました。

伊藤陽一 ソニー株式会社 Startup Acceleration部
伊藤陽一 ソニー株式会社 Startup Acceleration部
「REON POCKET」プロジェクトリーダー。ソニー入社後、当時のオーディオ事業部にて組み込みソフトウェアの設計を担当。その後、当時のビデオ部の新規ビジネス部にてUX検討等を担当。2014年、新規事業創出部で新規事業プロジェクトのメンバーとしてファッションウォッチのソフト設計などに携わる。

アイデアを事業にしたい。トレンドに合わせた「テクノロジーと衣服」の融合。

――「REON POCKET」とはどのような商品なのでしょうか?

伊藤:「REON POCKET」は、インナーウェア装着型の冷温両対応ウェアラブルデバイスです。これから始まる夏本番。スーツで働くビジネスパーソンの方々をはじめとする“夏の暑さ”に悩む方々に向けて、テクノロジーで新たな快適性を提供するウェアラブルデバイスとして開発しました。

REON POCKET

――なるほど、これからの季節にうってつけですね。どのように暑さに対して快適性を提供するのですか?

伊藤:下の図のようなイメージで、「REON POCKET」の端末を専用インナーウェアの背面ポケットに装着し、スマートフォンのアプリ経由で端末の温度をコントロールします。端末の冷温部が直接首元に触れており、この部分の温度が変化することで、 自分自身で冷温感を調節することができるのです。

REON POCKET
REON POCKET

SSAPで挑む、2回目のチャレンジ。

――今回、ソニー内のスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムである“SSAP”で事業化検討することになった経緯は?

伊藤:もともとソニーには、「新しいことをやりたい」と思って入社しました。ずっと変わらずそう考えていたので、常に一兆個はアイデアを抱えていました(笑)。しかし入社当時は、社内でチャレンジできる環境を見つけることができませんでした。2010年を過ぎた頃からは、徐々に社内でのボトムアップ活動が増えてきて、そういった活動の一環で行われるアイデアコンテストやワークショップ等に同期や同僚と何人かでアイデアを出すように。社内のコンテストに出したアイデアで賞を頂くこともありましたが、「受賞できて良かったね」となった後、折角練ったアイデアもそこで終了。自分は、アイデアを商品にしたいし、事業をやりたい、常にそういったもどかしさを抱えていました。

そんな2013年頃、当時の同僚に、自分が温めていたアイデアを何気なく共有したとき「同じことをやろうとしていますよ」と言われたことをきっかけにそのメンバーたちがいるチームにジョインし、当時のSSAPのスキームで新規事業を行うことが決定。これが私の初めての新規事業へのチャレンジの始まりでしたね。

――なるほど、今回とは別の新規事業を通じてSSAPにたどり着いたのですね。今回「REON POCKET」が生まれたきっかけは?

伊藤:自分にとっての初めての新規事業をSSAPで行う中で、様々なことを実践し学びました。また、社外にも多数の繋がりができました。その中で、アパレル業界の方から、ソニーのテクノロジーを衣服の機能性や快適性に活かすことはできないか、という声があり、それに可能性を感じ、新たにその領域の模索を始めたのです。

世の中のトレンドとしては、人々は“機能性”や“快適性“を重視するようになっているんですよね。例えば、機能性では冬には軽くて暖かいダウンジャケットが人気だったり、快適性を求めてスーツの足元をスニーカーで合わせる方も増えてきていたり。そこで、機能性を重視した「ファッションとテクノロジー」の融合を考えていた2017年の夏頃、当時一緒にアイデアを模索していたメンバーから、電流により冷却・加熱を行える半導体素子(ペルチェ素子)を使った「REON POCKET」原案の発案がありました。

SSAPオーディションに、クラウドファンディング準備。チームで駆け抜けた半年間。

伊藤陽一 ソニー株式会社 Startup Acceleration部

――SSAPによる新規事業アイデアのオーディションに応募した理由は?

伊藤:「REON POCKET」の元となったアイデアを商品にしたい、事業にしたいという思いが強かったからです。また、SSAPが行う新規事業アイデアのオーディションは1年中いつでも応募できるシステムになっており、自分達のペースで応募できたことも大きかったです。そのおかげで、ビジネスモデルが整理できたタイミングで応募することができました。プロトタイプの完成度を高めたり、ソフトウェアの開発を行ったり、チームメンバーで慣れないミシンを使って、インナーウェアを作りこむ日々もありました。

―そして無事、新規事業アイデアのオーディションに通過されたのですね。そこからはどのようなステップを?

伊藤:オーディションの通過が決まったのが、2019年1月末。そこから、2020年の夏をターゲットに、事業化に向けた準備を進めました。チームメンバーで補いきれない部分はSSAPのアクセラレーターによるサポートも貰い、専門家の方々によるコーチングや、ピッチ演習、品質観点でのサポート等、様々なステップを踏んで来ました。ようやく準備が整い、7月22日にクラウドファンディングへの挑戦が始まりました。7月24日から26日にかけて東京ビッグサイトにて開催される『猛暑対策展』にも「REON POCKET」を出展する予定です。

若い世代に、よりよい地球環境を。

――ついにスタートを切った「REON POCKET」。そこにかける想いは?

伊藤:「REON POCKET」は、スーツで働くビジネスパーソンに“快適性”を届けます。しかし単純にそれだけではない未来も見据えています。個々人の温度環境が快適になることで、将来的には空間全体の消費エネルギーを減らすことに繋がるはず。そうして微力ながらも、地球環境に貢献できればと思っています。今の若い世代によりよい地球環境を残すことができれば、そう本気で考えています!

伊藤陽一 ソニー株式会社 Startup Acceleration部

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あらゆる人に起業の機会を。

Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から5年間で、国内外で750件の新規事業案件を審査し34件を育成、14の事業を立ち上げ。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。