アサヒグループジャパン株式会社(以下、アサヒグループジャパン)とエステー株式会社(以下、エステー)、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、スタートアップ企業を対象としたコンテスト「Startup Switch 2022」を開催し、ビジネスプランの募集を行っています。
「Startup Switch 2022」は、独創的なアイデアやテクノロジーを活用して持続可能な社会創出を目指すスタートアップ企業を対象としたコンテストです。スタートアップ企業の成長を応援するとともに、審査を行う3社との接点を持つことで、変化点"Switch"となる機会を提供します。
今回は、Startup Switch 2022 審査員である、エステー株式会社 新規事業開発室 室長 清水 佳代さんに、エステーの新規事業の取り組みや、応募を検討しているスタートアップ企業へのメッセージをインタビューしました。
ペット用品市場への参入、産学連携の研究、海外市場への展開
――清水さんのご担当領域を教えてください。
新規事業開発室の室長を務めています。エステーの新規事業開発室は、成長性のある新規事業を生み出し育成するための体制構築を目的として、2022年5月に発足した部署です。
会社全体の新規事業戦略の立案と事業開発、創造的風土の醸成、オープンイノベーションやM&A、ベンチャー投資などをミッションとしています。
――エステー内での新規事業やオープンイノベーションの取り組みについて、具体例を教えてください。
エステーは、空気を事業の軸とする「トータル エアビズ カンパニー」を目指して、BtoBビジネスへの参入やオープンイノベーション、海外市場への進出など事業領域を拡大しています。
異業種や他分野における事業化の事例としては、「クリアフォレスト事業」があります。北海道の「トドマツ」の間伐材(※)から機能性樹木抽出成分を抽出し、商品化に活用している事業です。成分には、樹木精油や樹木水、針葉粉体の3つがあり、直近では樹木水を配合した消臭ミスト「Air Forest Refresh Mist」を発売しました。
また、2022年2月にトドマツ粉体を活用した「エステーペット」を立ち上げ、ペット用品市場に参入しました。エステーペットはペットと人がもっと快適に楽しく暮らせることを目指して、ペットのニオイ問題を解決するブランドです。
オープンイノベーションの事例としては、ベンチャー企業との交流の他、大学など産学連携での研究も活発に行っており、日用品メーカーの枠を超えた新たな事業開発に挑戦しています。昨年は、悪臭物質に応答するヒトのニオイ受容体に関する研究なども発表しました。
現在、新規事業開発室ではVUCAな時代に対応するべく、新しいマーケットやトレンドの情報収集、社外の経営者などを招いた講演会、アイデアをスピーディーに仮説検証する仕組み作りなどにも力を入れています。
フェムテック・介護テックにも挑戦。新しい事業アイデアとの出会いに期待
――SSAPとの取り組みの事例は?
現在エステーの新規事業開発室で取り組んでいる「フェムテック」「介護テック」の事業領域において、ビジネスモデルの仮説構築・仮説検証フェーズを支援していただいています。定期的なメンタリングの他、プロトタイプ試作も支援いただいています。
――既存事業ではない領域に多く取り組まれているのですね。SSAPと組んで良かったことがあれば教えてください。
新規事業開発室内には事業立ち上げ経験がないメンバーが多いのですが、SSAPの支援によって事業仮説構築の理論やマインドセット、フレームワークを学ぶことができています。また伴走して支援いただくことで、ソニーグループならではのスピード感や熱量を肌で感じ吸収できているのではと思います。SSAPを通じて理論と実践力を身につけ担当メンバーのスキル向上にもつながっていると感じます。
――最後に、応募を検討しているスタートアップ企業の方々へのメッセージをお願いします!
近年の「withコロナ」の生活環境の中で、新たなニーズやビジネスチャンスが出てまいりました。空気ビジネスに限らず、時代の変化を捉え、既存の枠を超えたアイデアを持つスタートアップ企業との出会いを期待しています。皆さんと連携し、ビジネスアイデアの事業化を加速していきたいと考えています。