「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」を募集テーマに、ソニーグループ株式会社(以下ソニー)とアサヒグループジャパン株式会社(以下、アサヒグループジャパン)、エステー株式会社(以下、エステー)は、スタートアップ企業を対象としたビジネスプランコンテスト「Startup Switch 2022」を開催しました。
今回は最終審査会でアサヒグループジャパン賞を受賞したBABY JOB株式会社(※敬称略)についてご紹介します。
■ BABY JOB株式会社ご紹介
―――貴社の事業内容について教えてください。
当社が提供する『手ぶら登園』は、保育施設での紙おむつとおしりふきが使い放題になる日本初のサブスクリプションサービスです。当社が保育施設に直接紙おむつをお届けするため、通常子どもを保育施設に通わせる際に必要となる「紙おむつに名前を手書きして持参する」という保護者の手間がかかりません。また、「園児ごとにおむつを分けて管理する」という保育士の手間もなくなります。『手ぶら登園』は保護者に育児のゆとりを、保育士に保育に集中できる環境を創出しています。
―――Startup Switch2022に応募されたきっかけは?また印象的だったことがあれば教えてください。
Startup Swich2022は、昨年当社が参加したピッチイベントをご覧になった方からご紹介頂きました。コンテストの審査員である、社会に大きな影響力を持つ企業の皆様と一緒に、当社が取り組む社会課題についてさらに世の中に広めていく機会になればと思い、応募いたしました。
2019年7月に『手ぶら登園』のサービス提供を開始してから3年半が経ち、社員数も増えてきました。今回、エントリーシートの作成にあたり改めて積み上げてきたノウハウや個々が持つ情報を整理したことで、自社独自の強みを再認識し、より強固なものにする機会に繋がったと感じています。
また印象的だったのは、審査員の皆様が私たちの事業に対して、とてもポジティブな反応を示してくださったことです。そのおかげで、前向きな雰囲気の中で発表ができ、今回の結果に繋がったと考えています。
最終審査ではファイナリストの仲間との新しい出会いの機会も頂き、感謝しています。
―――今回アサヒグループジャパン賞を受賞されましたが、実際に受賞されてみていかがですか?
アサヒグループジャパン様という大きな企業に応援頂けること、そしてどのファイナリストも事業として素晴らしく、とてもレベルの高い最終審査会の中で、当社の事業に可能性を感じて頂けたことは大変ありがたく、感謝しています。また、審査員のアサヒグループジャパン山本様の講評では、当社が本流の事業とは別に行っている「使用済みおむつの持ち帰りをなくす会」などの社会貢献活動も評価して頂き、嬉しく思いました。
―――今後の期待と展望は?
アサヒグループジャパン様から我々が取り組む「子育てに関する社会課題の解決」に共感をして頂き、この賞を頂けたことを社員一同、大変喜んでおります。当社の『手ぶら登園』は全国3000施設への導入を実現したものの、全国の保育施設のたった7%程度であり、まだまだ当たり前のように利用できる状態にはなっていません。今後さらに社会的認知度を高めなければならない中で、アサヒグループジャパン様に応援頂けることは大変心強いと感じています。
子育てでは、仕事の両立のために子どもを保育施設に預けても、登園準備や荷物の多さという新たな問題を抱えがちです。中でも、使ったらすぐに捨てる紙おむつ1枚1枚に対して手書きで子どもの名前を書き、月間100枚程度を保育施設に持参することは、保護者にとって大きな負担になっています。『手ぶら登園』を利用することでその悩みから解放され、時間と心のゆとりや楽しい団欒の時間を増やしたいと考えています。また、新しく始めた保護者の保育園探しをサポートするサイト『えんさがそっ♪』では、複雑な保活のスマート化に取り組んでいます。今後もこのように「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」の実現に向けてアサヒグループジャパン様と一緒に様々な社会課題の解決に挑めればと大きな期待を抱いております。
■ 審査員コメント
アサヒグループジャパン株式会社 Value Creation室 室長 山本 薫さん
「受賞おめでとうございます。選定させて頂いた理由の1点目は保護者と保育士それぞれの課題を解決するwin-winのサービスを展開されている点です。2点目は紙おむつのサブスクリプションサービスを、子育てが楽しいと思える社会の実現というビジョンの下に展開されている点で、ビジネス拡大の観点でも、非常によく考えられているなと感じました。3点目はこのビジョンをビジョンとして掲げるだけではなく、おむつの持ち帰りという社会課題や、今の時代に全くマッチしない悪しき習慣を変えようとチャレンジされている点に非常に共感を覚え、ぜひ応援させて頂きたいと思いました。」
※本記事の内容は2023年2月時点のものです。