「独創的なアイデアやテクノロジーを用いて、社会課題の解決を図る」を募集テーマに、ソニーグループ株式会社(以下ソニー)とアサヒグループジャパン株式会社(以下、アサヒグループジャパン)、エステー株式会社(以下、エステー)は、スタートアップ企業を対象としたビジネスプランコンテスト「Startup Switch 2022」を開催しました。
今回は最終審査会でソニー賞を受賞した株式会社ALGO ARTIS(※敬称略)についてご紹介します。
■ 株式会社ALGO ARTISご紹介
―――貴社の事業内容について教えてください。
当社は「社会基盤の最適化」をミッションに、計画最適化ソリューション「Optium」を提供しています。私たちの社会基盤を支えている様々な産業の生産計画や高度な運用計画は、トラブル回避やコスト削減なども含め多様な観点から策定する必要があります。しかし複雑さゆえ既存の技術では対応できず、結果として今でも限られた熟練の技術者が計画を策定・管理しているケースが多いです。そこで当社は各企業に合わせ、熟練の技術者の経験やノウハウ、現場の複雑な運用ルールをAI(アルゴリズム)に組み込み、計画を最適化するソリューションを開発しています。人の力では不可能なほど高いレベルで効率的な計画を作成することで、大幅な収益性向上とリスクの低減を実現しています。
―――Startup Switch2022に応募されたきっかけは?また印象的だったことがあれば教えてください。
当社はすでに大企業にソリューションを提供しており、サービスとして十分に安定してきている一方で、まだまだお客様からの認知度が足りない状況です。技術面以外のセールスやマーケティングといったビジネス部分を磨き上げる必要があるため、ピッチコンテストやアクセラレーションプログラムへの応募を検討していたタイミングで、Startup Switch 2022の存在を知り、応募いたしました。何より印象に残っているのは最終審査会に参加されていたファイナリストのレベルの高さでした。どの企業も社会的意義の深さや事業の進展など、非常に優れた企業ばかりで、プレゼンテーションの内容は興味深いものでした。
―――今回ソニー賞を受賞されましたが、実際に受賞されてみていかがですか?
率直に驚きました!ファイナリストはどの企業もレベルが高く、正直なところ結果発表は少し諦め気味で聞いていたので、受賞をアナウンスされた時には焦りました(笑)。このような形で客観的に評価して頂くと、自分たちの技術やビジネスが優れていることを再認識するきっかけになり、とても自信がつきます。何より、日々頑張ってくれている会社のメンバーにあらためて感謝しました。
―――今後の期待と展望は?
当社はすでに物流やプロセス生産における実績は十分にありますが、まだ組み立て製造分野の生産計画最適化とサプライチェーンの最適化はこれからチャレンジしていきたい領域です。技術的には十分可能である見通しはついていますが、より具体的な検討を進める必要があります。
このため今回ご提供頂くSony Startup Acceleration Program(SSAP)の事業開発支援プログラムで、ソニーグループ内の企業と連携できればと考えております。グローバルトップ企業の生産計画やサプライチェーンに私たちの技術がどのように適用でき価値を創出できるのか。非常にチャレンジングですが、楽しみにしています。
そしてもう1つ、私たちの最適化技術は非常に汎用的である一方、金融などまだまだ検討できていない事業領域がたくさんあります。私たちにとって全く新しい領域での適用可能性についてSSAPと一緒に検討を進め、事業を広げるきっかけが作れればと考えています。
■ 審査員コメント
ソニーグループ株式会社 Startup Acceleration部門 Business Acceleration部 統括部長 寺井 岳見
「受賞おめでとうございます。いずれの企業の皆様も、社会課題の解決に向けて真摯に取り組まれており、選考に悩みました。その中で、株式会社 ALGO ARTISは現場に入り込み、実態を踏まえながらDXを作りこんでいた点とそれが大きな社会課題解決に貢献する点が今回のソニー賞に選定させて頂いた理由です。このコンテストをきっかけに、さらに羽ばたいて頂きたいと思います。」
※本記事の内容は2023年2月時点のものです。