Sony Startup Acceleration Program(以下SSAP)は、東京大学・東京藝術大学と社会連携講座を開講し、学校法人立命館(以下立命館)が設立した「立命館・社会起業家支援プラットフォームRIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers Inter X(cross))」とも連携し支援をしています。またこれらの教育機関との連携に加え、一般企業に対してもZ世代の発想を生かした新規事業創出支援や、Z世代向けの研修の実施サポート等を行っています。
今回は2021年5月上旬から11月下旬にかけて、ソニー生命保険株式会社(以下、ソニー生命)に対して支援した、「Z世代をターゲットにした新規事業創出」のプロジェクトについて紹介します。
プロジェクト概要
テーマは「若年層と保険会社の新たな接点」。東京大学をはじめとする学生とソニー生命の社員がチームを組み、ソニー生命が、最初に選ばれる生命保険会社になるためのアイデア創出を行いました。そして、SSAPのトレーニングと学生との共創によりアイデアをブラッシュアップし、ニーズ検証を実施しました。
プロジェクトの一連の流れ
2021年5月上旬から11月下旬までの約半年間のプロジェクトでは、アイデアソンから社内プレゼンまで5つのステップで進めました。
◆ ステップ1
SSAPが接点のある東京大学、東京藝術大学、デジタルハリウッド大学から学生を集め、生命保険をテーマに学生たちがアイデアソンを実施。ソニー生命から生命保険に関する基礎知識を説明したのち、「生命保険との素敵な出会い」をテーマにチームでアイデアを考案し発表。
◆ ステップ2
ソニー生命のミッションに対して一緒に挑戦したいと手を挙げた学生と、ソニー生命社員やSSAPが面談。学生とソニー生命社員の混成チームが2つ誕生し、それぞれのチームが学生やZ世代と生命保険を掛け合わせたアイデア創出に向け動き始める。
◆ ステップ3
生命保険に関する勉強会やニーズ検証のトレーニング等を提供しながら、顧客セグメントやアイデアの骨子を考え、仮説検証に備える。それぞれのチームで定めたアイデアの骨子は「保険×ゲーム」と「ソニー生命×就職活動」。
- 保険×ゲーム
学生やZ世代が高い関心を持つゲームと生命保険を組み合わせることで、学生やZ世代が生命保険に触れる機会創出を狙う。 - ソニー生命×就職活動
学生やZ世代の多くが経験する就職活動は、将来の人生設計に関わる重要なイベントであり、ソニー生命の強みとしているライフプランニングと高い親和性があることから、就職活動をテーマに設定し、就活生とソニー生命の接点創出を狙う。
◆ ステップ4
アイデアのプロトタイプを作成。学生に対してユーザーインタビューを行い、仮説検証を繰り返してアイデアのブラッシュアップを実施。
◆ ステップ5
プロジェクトの最終報告として、ソニー生命の社内でプレゼンテーションを実施。
プロジェクトを終えての感想
◆ ソニー生命 社員
「SSAPには新規事業の基本やプロジェクトが思うように進まない時の的確なアドバイス、時には特定分野の知見収集のための専門家とのディスカッションの機会まで提供いただきました。学生の豊かな発想力も加わり、結果的に社内ではなかなか発想できない、納得度の高いアウトプットを作ることができたと思います。本プロジェクトでの経験を、社内の新規事業創出スキルの向上や今後のZ世代向け施策につなげられるよう、検討していきたいです。」
◆ 学生
「当初、本プロジェクトに誘われた際は高校の文化祭の企画くらいに思っていましたが、はじめて社会人と「何かを作り出す」ということを体験させてもらい、アイデアを生み出し、それを実現することの厳しさと課題を解決していくことの面白さを実感できました。」
「今回、このような機会でソニー生命の社員の方と関われてとても良かったです。社会人の方々との交流は学生ではなかなかできないので、刺激になりました。」
支援を振り返っての感想
◆ SSAP プロデューサー 杉上雄紀
「SSAPは2019年度より社会連携講座を開講しており、産学協創によるスタートアップのエコシステムの発展を目指しています。その中で本プロジェクトはスピード感をもって進めることができ、非常に良いプロトタイプとニーズ検証の結果が得られ、プロデューサーとして嬉しく思います。また今後の大企業×大学生のアプローチに向けて手ごたえを感じました。学生やZ世代との接点を作ることに興味がある方はぜひお声掛けください。」
※本記事の内容は2022年2月時点のものです。