Sony Startup Acceleration Programから生まれたIoTブロック「MESH™」。2020年には小学校でプログラミング教育が必修化され、子どもたちが主体的にプログラミングの楽しさや考え方を体験することができるツールとして期待されています。
2020年度から小学校の教科書にも掲載され、教育の中で活用されていくMESH。その沿革を、プロジェクトリーダーの萩原丈博と共に振り返ります。
(バックナンバー:『IoTブロックMESHヒストリー』 #01 アイデア誕生/#02 スタート/#03 加速)
【2016年12月】栄光サイエンスラボで小学生向け講座を実施
2016年12月から2017年1月初旬にかけて、小学生向けに「IoTクリエイター講座『開運!デジタルおみくじを作ろう~MESHでプログラミング体験!~』」という講座を行いました。企画開催は、「栄光ゼミナール」などの教育事業を行う栄光グループの中で、特に科学分野においてさまざまな新しい取り組みを行う栄光サイエンスラボ。首都圏9教室、のべ100人以上の子どもたちがこの講座を受講しました。
【2018年2月】筑波大学附属小学校の授業にMESHを活用
2018年2月、筑波大学附属小学校にて実施された理科の公開授業で、前年に続きMESH を活用した授業が提案されました。この公開授業には多くの教育関係者が見学に訪れ、教育現場におけるMESHの活用への注目の高まりを示しました。
当初はDIYツールというコンセプトだったMESHを教育の現場でも活用できると考えたきっかけを、プロジェクトリーダーの萩原は下記のように話します。
「MESHは“アイデアを形にできる道具”としてリリースし、当初はMESHの使い方の説明をワークショップ形式でやっていました。Maker Faireのあといろいろな反響がありまして、とある場所で親子参加のワークショップを実施。この時に大人も子どもも一緒に楽しみながらアイデアを形にしていく姿を見て、“MESHは教育でも使えるな”と感じていました。その後も、教育関係者の方々から多数のお問い合わせをいただいて、ワークショップを実施してきました。
2020年のプログラミング教育必修化というのもありますけど、小中高生に限らず、大学、社会人向けにも引き続き使っていただきたいと思っています。」
同じくMESHプロジェクトを担当したSSAPアクセラレーターの沼田洋平は、下記のように話しました。
「筑波大学付属小学校での授業でMESHを活用いただいた事例は先生がスペシャリストで、すでに実現したいプログラミング授業案の構想があり、MESHはそれを実現するためのツールとしてご利用いただきました。その意味では、教材というよりも道具としてのMESHの側面が、先生方に気に入っていただけたのかなと思います。学校の先生方や教育現場の皆さまに、安心して使っていただきたいと思っています。」
【2019年8月】オフィシャルガイドブック『MESHではじめる プログラミング教育 実践DVDブック 小学校編』を発売
教育現場では2020年の小学校でのプログラミング教育必修化に向けて、2017年頃からMESHへの関心が高まっていました。しかしプログラミングの授業をどのように行えば良いか悩んでいる先生も多くいらっしゃいました。そこで、MESHでどのような授業ができるのか、どのような学びが得られるのかを紹介できるツールとしてDVD付きのガイドブックを制作し、発売しました。(参考記事:SSAPから生まれたIoTブロック「MESH™」、小学校のプログラミング教育でも活用されています!)
DVDには、MESHを使った授業風景や、試行錯誤しながら課題解決に取り組む子どもたちの臨場感あふれる映像がふんだんに盛り込まれています。映像以外の部分でも、MESHを初めて使う先生をサポートする工夫が随所に施されています。
【これからのMESH】プロジェクトリーダー 萩原丈博より
「5年前の今頃は、MESHのクラウドファンディングに向けた準備の真っ最中でした。それから5年。これまで本当に多くの方に助けて頂き、今のMESHがあります。そしていよいよ2020年度から小学校で必修化されるプログラミング教育でも活用されることになり、子どもたちの学びにも大いに活用されることが期待されます。
生活に身近な形でプログラミングを考えることが、さまざまな授業の学びを深めることにつなげていくことができたら、MESHの開発者としてこんなにうれしいことはありません。これからのMESHの広まりを楽しみにしています。支援して下さった皆様、これまでありがとうございました。そしてこれからもMESHをどうぞ宜しくお願い致します。」