2020.06.08
SSAP Tips

#01 事業計画書に必要な項目とは?

Sony Startup Acceleration Program(SSAP)では、「あらゆる人に起業の機会を。」というコンセプトのもと、起業を目指す方や新規事業担当者をサポートする情報を定期的にお送りしています。

記念すべき第1回は、新規事業における「事業計画書」の重要性や必要項目、作成する際のコツなどをご紹介します。
新規事業の立ち上げにあたっては、商品やサービスの概要、ターゲットや市場性、資金計画などをきちんとまとめておく必要があります。そのために欠かすことができないのが、「事業計画書」を作成することです。

1. 事業計画書の重要性

事業計画書は、新規事業を立ち上げ、運営をしていくうえで非常に重要な役割を担います。事業計画書には、大きく分けて以下の2つの役割があります。

――事業を行っていく際の見取り図

事業計画書は、今後事業を行っていく際の見取り図になります。
想定している新規事業を進めていくうえでのコンセプトや戦略、起こりうるリスクなど、多角的な視点から大まかな全体像をまとめることによって、不測の事態を避けつつ、やりたいことを実現していくことができるようになります。

――融資を受けるための説明資料

もう一つの重要な役割は、融資を受けるための説明資料であることです。
新規事業を始めるには、必要資金を手当てする必要があります。その際、多くのケースでは金融機関などから融資を受けることになります。融資の審査では、「この事業には融資する価値があるか。計画通りに返済できるか」がチェックされます。そこで、融資を確実なものにするために、しっかりとした事業計画書を作成することが必要と言われています。

2. 事業計画書を作成する際のコツ

このように、事業計画書は新規事業を始めるにあたって非常に重要となるため、わかりやすく明確な内容にする必要があります。ここでは、事業計画書を作成する際に押さえておくべきコツをご紹介します。

――作成する前に徹底的な調査・テストを実施する

事業計画書を作成する前には、徹底的な調査・テストを実施することが不可欠です。市場規模や競合他社の売り上げなどを調査し、それに基づいて新規事業として展開しようと考えている商品、サービスを試験的に提供します。
調査・テストによって検証した結果を事業計画書に盛り込むことによって、内容に説得力を持たせることができます。

――「わかりやすくシンプル」を意識する

事業計画書で大切なのは、事業計画の内容を明確に伝えることです。事業計画書はデザインに凝るのではなく、「わかりやすくシンプル」を意識して作成するよう心がけると良いと言われています。

―― 完成したら第三者にチェックしてもらう

事業計画書が完成したら、必ず第三者にチェックしてもらうと良いと言われています。十分に準備をしてまとめたつもりでも、意外に漏れがあったり、独りよがりな内容になっていたりするケースがあるためです。

3. 事業計画書に必要な項目

次に、事業計画書にどのような内容を盛り込めばよいか、具体的に見ていきます。

――事業概要とその背景

ターゲットや商品・サービスなど、新しく立ち上げようとしている事業の概要を記します。また、事前に調査・テストした結果を踏まえ、経済環境や社会情勢など、なぜ今その事業を立ち上げるのか、そして成功し得るのかなどの背景も盛り込みます。

――ペルソナ

ペルソナとは、年代や性別、職業、価値観など、新規事業のターゲットとして想定している具体的な顧客像をいいます。ペルソナを明確にすることで、提供する商品やサービスの軸が決まります。

――ターゲットとなる市場の動向

※サンプルとしての分かりやすさのため一部事実と異なる点がございます。 

ターゲットとなる市場の規模や他社の動向などを分析し、市場へ参入する意義や市場に成長性があることを明確にします。

――ビジネスモデルを可視化

自社の収益の仕組みを記載します。自社、顧客、パートナー企業などのステークホルダーをまず明記し、それらステークホルダーの間で発生するお金とサービスの流れをまとめることで、読み手に視覚的にもわかりやすく、自社のビジネスモデルを説明することができます。

―― 自社の強み・他社との違い

市場の動向の分析を踏まえ、技術、スキル、ノウハウ、企業風土などの観点から、他社とはどの点が異なり、それが自社の強みとなるのかについて記載します。

―― 事業展開のロードマップ

新規事業によって実現したい最終的な目標に向かって、どのように事業を展開し、発展させていくかというシナリオを表したものがロードマップです。
年度ごとに達成すべきテーマを設定し、その実現に向けて取り組むべき施策などを記載します。

――中期計画

ロードマップをもとに、立ち上げから3~5年の中期計画を作成します。
中期計画を作成することによって、各年度において達成すべき事柄が明確になり、やるべきこと、検討すべき課題は何かの指針となります。

――事業に必要な資金、目標とする売上高

※上記グラフ記載の内容は数値計画の一例でありwenaに関連するものではありません。 

事業を運営するうえで、資金計画、財務計画は欠かすことができません。立ち上げにかかる初期費用の金額や調達方法、目標の売上高およびコストに基づく収支予測などを記入します。

5.「StartDash」なら事業計画書の作成もサポート

SSAPが提供する、新規事業を始めるために必要な準備を効率よく進められる無料の事業化支援Webアプリ「StartDash」では、起業を目指す方や新規事業担当者を対象に、新規事業立ち上げの初期に最低限必要なタスクの確認や管理、資料作りなどを支援しています。
事業計画書の作成もサポートしており、手順に沿って項目を埋めていくと事業計画書が作成できるようになっています。また、事業計画書のサンプルもダウンロードできるので、「事業計画書の作り方がよく分からない」という方でもスムーズに事業計画書をまとめることができるでしょう。

6. 事業計画書の作成につまずいたら…

事業計画書をまとめていく中で、必要な情報がまだ整理できていないと感じ、手が止まってしまうことはよくあります。その際に有用なのが、事業計画書の骨子の役割を果たせる「ビジネスモデルキャンバス」です。

SSAP Tips #02では、ビジネスモデルキャンバスの概要や実例、活用上の注意点などをご紹介します。

Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、760件以上の支援を25業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2024年10月末時点)

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