あなたのアイデアを最短でビジネスに。
事業化支援Webアプリ「StartDash」は、ソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するSony Startup Acceleration Program(以下SSAP)が培ってきたノウハウを基に、新規事業を始めるために必要な準備の効率化をサポートします。誰でも無料でお使いいただける本アプリをより幅広い方々にご活用いただけるよう、導入事例を連載にてご紹介します。
今回は、山口県でデザインをテーマに事業創出活動をされている株式会社firm 代表取締役 森下真嗣さんにお話を伺いました。森下さんには、過去にご自身で手掛けられた「事業創出ワークショップ」においてStartDashをご活用きました。「地方×事業創出」というテーマにおいて、StartDashはどのような役割を果たしたのでしょうか。
――はじめに、森下さんのご経歴・現在の活動内容を教えてください。
大学卒業後、独立系SI※(システムインテグレーター)に9年ほど従事した後、フリーランスエンジニアを経て地元山口県にUターンしました。地方では「あれが無い、これが不便」などネガティブな発言をよく耳にします。サービスを受ける側にいれば確かにそうですが、逆にサービスを提供する側であれば、これらの「不」はビジネスチャンスでしかないと思っていて、それらを解決するために事業開発に挑戦していました。しかし自分1人でできることには限界があり時間がいくらあっても足りないので、今は地元の行政・金融機関・大学と連携して、ベンチャー起業家・企業内起業などの支援プログラムを運営し、人材育成を進めて地方の課題解決に取り組んでいます。
――森下さんは、「デザイン」をテーマに山口県で事業創出の支援をされていると伺いました。
はい、地方では、課題の解決や事業創出を、地方であることを言い訳にして諦める人が多いように感じます。都市部と同じような人口ありきのシステムで考えるとそうかもしれませんが、都市部と地方では課題の本質が異なるので、地方には地方の解決策があるはずです。私は、その解決の手段となる「仕組み」のデザイン・設計に挑戦しています。
――StartDashを初めて使った時の印象を教えてください。
StartDash を初めて使ったのは、私自身がスタートアップを立ち上げようとして事業計画書を作成しているときのことでした。事業計画書と言っても何から手をつけたら良いのか分からずネット検索でサンプルを探していました。しかし、そもそも事業計画書というものは本来オープンにされる情報ではないため、テンプレートはあっても具体的な内容が無く、結局自力で試行錯誤を繰り返していました。
そんな状況でStartDashを知り、チェックリスト形式の質問に回答するだけで事業計画が整理され、最終的にドキュメントまで作成される手軽さとそのアウトプットのクオリティに感動しました。
――過去に2回、山口県内でStartDashを使ったワークショップを開催いただきました。その際には、SSAPのプロデューサーによるワークショップも行いましたが、いかがでしたか。
SSAPのプロデューサーの方と行ったワークショップでは、限られた時間の中で事業開発全体のお話からStartDashを使った演習まで行いました。ワークショップ参加者からの評判もよく、StartDashを使うことにより事業計画書作成のハードルが下がったと感動する参加者もいました。欲を言えば、もう少しStartDash を使った演習のフェーズを、時間をかけてじっくり行ってもよかったかなと思います。
――今後地方において、森下さんはどのようなアプローチで事業創出活動を盛り上げたいですか?
今年、山口フィナンシャルグループが「山口大発スタートアップ支援ファンド」を設立し、山口大学は学内にベンチャー起業支援室を設置しました。私はそのアドバイザーとして起業初期の相談や事業構築支援をしていきます。山口大学の国際総合科学部では「デザイン科学を通じた課題解決能力」を学び、4年次には実際の社会課題の解決に取り組む「プロジェクト型課題解決研究(PBL)」を実施しています。この学部の学生を中心に山口大学を地方のイノベーション拠点と位置付けて、学外の地域、企業や自治体等と共に、地方の課題解決に取り組んでいきたいと思っています。
――今後のStartDash、そしてSSAPに期待することは何ですか?
StartDashは既に素晴らしいサービスですが、初期の顧客仮説、課題仮説のアイデア出しが行える機能があると、事業を創出したい気持ちはあるが動き出せないという人も、よりスムーズに事業を作っていけるのではないかなと思います。
SSAPに期待することは、「地方でイノベーションを起こす仕組み作り」を一緒にやりたいと考えています。新型コロナウイルス感染拡大の影響でライフスタイルも大きく変化し、リモートワーク・ワーケーションなどが徐々に進んでいくなか、こういった流れを上手く利用し、地方に人材が集まる仕組みを一緒に作れたらいいな、と個人的に思っています。
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StartDash担当者、立花のワンポイントアドバイス
「森下さんから初期の顧客仮説、課題仮説のアイデア出しを行う機能のご要望をいただきました。StartDashにはアイデアそのものを出すための機能はまだありませんが、アイディエーションをスムーズに実施するための使い方をひとつご紹介します。
StartDashで作成できるアイデアシートのフォーマットを利用します。アイデアシートは、左側に“誰のどんな課題を解決するのか”、右側に“どうやって課題を解決するのか”を記入するシンプルなフォーマットです。思いついたアイデアをこのフォーマットに記入することでアイデアをシンプルに可視化できますので、頭の整理やディスカッションをスムーズに進められます。顧客や課題のアイデア出しをする場合は左側の記入だけで構いません。
アイデアシートについては、トレーニング講座入門編:商品・サービスアイデアのまとめ方でも詳しく説明していますので是非ご覧ください。」
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