Sony Startup Acceleration Program（SSAP）は、三雅産業株式会社（以下、三雅産業）による顔認証電子錠システム「Kaonin（カオニン）」にビジネスモデル整理・プロダクトデザイン・コミュニケーションデザイン・上市支援などのサービスを提供しています。
Kaoninは従来の顔認証システムとは異なり、QRコードを使用した顔情報が残らない、個人情報に配慮した特長を持つ顔認証電子錠です。2023年2月27日（月）、Kaoninの販売が開始されました。
発売開始にあたり、三雅産業株式会社 代表取締役社長 川面 雅敬さん、事業企画部課長 東 佳宏さん、IT推進課 永山 祐也さんと、支援を担当したSSAP商品企画・ニーズ検証アクセラレーター 松岡 秀峰のコメントを公開します。Kaoninにかける想いやSSAPの支援内容について伺いました。
三雅産業株式会社 代表取締役社長 川面 雅敬さん
QRコードを使用した顔情報を残さない「顔認証電子錠システムKaonin（カオニン）」は、2023年2月、発売を開始いたしました。発売までには今まで経験の無い高い壁が次から次に出現してきました。当社だけでは乗り越えられなかった壁を共に乗り越え、ゴールにたどり着けたのも、ひとえにSSAP皆様のご支援の賜物と、心より感謝しています。
また、Sony Open Innovation Day 2022では「安心・快適をデザインする顔認証電子錠システムの開発秘話」と題し、名だたる大企業・有識者の皆様とともにプレゼンテーションをさせていただきました事、重ねて御礼申し上げます。Kaoninは、ようやくスタートラインに立ったばかりです。顔認証電子錠としての機能だけではなく、決済・予約・勤怠管理など、市場のあらゆるニーズと連携し、新しい分野を切り開いていく所存です。今後とも皆様のご協力よろしくお願いいたします。
三雅産業株式会社 事業企画部課長 東 佳宏さん
SSAPには「あなたの顔がQRコードに、そして鍵になる」というイントロから始まるプロモーションビデオの制作や、Kaoninのコミニュケーションプランを中心にプロジェクトに携わってきました。
制作にあたり、SSAPには1つお願いをしました。「ソニーのCMのような、スタイリッシュなテイストにしていただきたい」という要望です。コンセプト作りから始まり、構成・モデルの選定など細かい検討を重ね、撮影も明け方までかかりましたが、担当していただいたSSAPの清水さん・荒木さんはじめ撮影スタッフの方々の熱い気持ちに支えられ素晴らしい作品に仕上がった事を昨日のように思い出します。
Kaoninはタブレットに顔を映すタイプの顔認証ではなく、顔をQRコード化しスマホに保存。Kaonin端末にQRコードをかざすと解錠するタイプの顔認証です。スマホをかざす動作に慣れた多くの方に違和感なく顔認証を体験していただけるのではないでしょうか。「Kaoninがあるから安心・快適」と感じていただけるよう様々なシステムと連携し、新しい顔認証の形として普及を目指したいと思います。
三雅産業株式会社 IT推進課 永山 祐也さん
今後は顔認証などでの本人確認が増えていくと思っています。ですが現状はその分、顔情報（個人情報）の管理が増えると言った問題があります。
Kaoninはその管理問題を解決させ、より幅広いビジネスシーンで気軽に安心して顔認証を利用していただき、今までは「できなかった」課題に対しKaoninを利用することでたくさん「できる」に変えていきたいと思っています。そのためには今後も、いろいろなシステム企業様と連携させていただきサービス拡充をしていきたいと思います。
リリースに向けては、SSAPの皆さんと一緒に取り組めたことでプロジェクト全体イメージが鮮明に描けることができ、松岡さんからは自分たちとは違った角度からのご意見をいただいたことでビジネスモデル、プロダクトデザインの整理や課題解決がとてもスムーズにできました。また、上市支援でも的確なアドバイスをいただき、時には励ましていただいたりと、皆さんにはとても親身にゴールに向かって伴走いただきました。決して楽ではなかったですが私自身もたくさん学ばせてもらい、今でも学んだ内容を振り返り確認しています。今後も全力で取り組み進んでいきますので、よろしくお願いいたします。
SSAP 商品企画・ニーズ検証アクセラレーター 松岡 秀峰
「Kaonin」は電子部品の総合商社を祖業とする三雅産業様が手掛けるハードウェアソリューション事業の第1号商品です。私がKaoninと初めて対面したのは2021年2月、SSAPの「クリエイティブラウンジ」にてドアホンに似た試作機を紹介頂いたときでした。SSAPの支援では想定顧客、利用シナリオの解像度を上げることからスタートし、「シリアルナンバー1番」の商品を買ってくださるお客様、この商品をもっとも待ち望むエンドユーザーというようにQ&Aを重ねるうちに、プロジェクトメンバーの発案で24時間営業のフィットネスジムに通う「佐藤美咲さん（仮称）」というエンドユーザーのペルソナ（顧客像）が生まれました。そこから美咲さんの持ち物、アフターファイブの過ごし方、ジムの営業体制、出入口の構造…など調査を交えて検討した結果、スマホをかざしやすい縦長でアーチ形状のプロダクトに結像しました。「顔パスは便利だけれど、自分の顔写真を預けるのはちょっと…」と躊躇する「美咲さん」にKaoninで安心をお届けできる日を心待ちにしています。
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