2020.11.05
サステイナブルな世界の実現 ー国連プロジェクト・サービス機関とSSAPー

#06 Global Innovation Challenge、世界中から寄せられたアイデア

ソニーは国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)と、2020年2月にイノベーション領域における協業契約を締結しました。UNOPSが開催する「Global Innovation Challenge」ではテーマを共同で決定し、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むスタートアップや企業の選定を共同で行っています。

今回は、UNOPS Innovation Specialistの 杉迫直子さん(写真右)と、ソニー株式会社Startup Acceleration部門 Open Innovation & Collaboration部 Business Design Team 小澤信夫(写真左)に、7月末に応募を終えたGICの応募結果や、今後の展望やそれぞれの想い等をインタビューしました。

国籍や年代の壁を超えた多様な方々へのアプローチを。

――杉迫さん、小澤さんのそれぞれの「Global Innovation Challenge」での役割を教えてください。

杉迫:私は、Global Innovation Challengeの広報、応募・審査プロセスの支援を担うとともに、SSAPのみなさんと連携してプログラムの内容検討を進めています。これから、神戸で開催するブートキャンプ開催に向けて、参加スタートアップとのコミュニケーションやキャンプ開催準備を進めていきます。

小澤:SSAPでは日々ビジネスデザイナーとしてSSAPサービスをお客様に合わせてカスタマイズし、ニーズに合った形で提供しています。そして今回UNOPSと一緒に取り組んでいるGlobal Innovation Challengeでは、プロジェクトの全体像を把握し、各国とのコネクションだけでなく教育機関、企業、投資家を含めた類まれなる広いネットワークを持つUNOPSと、徹底的な実践主義で進めてきた社内・社外の新規事業支援に関する蓄積された経験・知見があるSSAPを有機的に繋ぐ役割を担っています。

――Global Innovation Challengeの募集を開始した2020年4月から7月の間、SSAPはどのような支援を行ってきたのでしょうか。

小澤:GICの参加者募集を開始してからの3か月強の間、日本・欧州を拠点としてアイデアソンを3回実施、またオンラインで有識者の特別講演を3件公開しました。これらを実施した目的は、「世界中の方々に対しGICを知ってもらい応募へのモチベーションアップを実現する」こと。日本人だけでなく世界中の方々からご参加いただくため、言語も英語・日本語で対応すべくSSAPの欧州拠点のメンバーとも連携して進めました。このようなグローバルな対応がスムーズに実現出来るのはSSAPの強みだと考えています。

SSAPが実施した特別講演3件(国連プロジェクト・サービス機関 ヨナス・スヴェンソン氏/ウミトロン株式会社 共同創業者/CEO 藤原 謙さん//ソニー株式会社 R&Dセンター VP 廣井 聡幸

――アイデアソンやインフォセッションは、今回新型コロナウイルス感染症拡大の影響でオンラインでの実施となりましたね。

小澤:オンライン開催になったことによっ場所の制約もなくなり、Global Innovation Challengeの応募者・応募を検討している世界中の方々にイベントに参加いただき、インスパイアすることができました。
SSAPヨーロッパが実施したアイデアソンでは20か国以上からの参加があり、各国の時差をカバーすべく2部構成で実施。第1部ではケニアの難民キャンプ現地からの参加者とビデオを繋ぎ、リアルな映像と共に難民キャンプの現状とアイデアをシェアいただきました。

第2部では主にヨーロッパの方々とビデオを繋ぎ、様々な国から課題に沿ったビジネスアイデアを発表いただきました。また、日本人に向けて開催したアイデアソンでは、学生・社会人含めた非常に広い世代の方々から独特の視点でのアイデアを聞くことが出来ました。SSAPではこれまでも多くのアイデアソンを実施してきましたが、今回は特に、国籍や年代の壁を超え多様性ある方々に参加いただけました。

SSAPヨーロッパが主催したアイデアソンの様子
SSAPヨーロッパが主催したアイデアソンの様子

98ヵ国・地域から624件の応募。次のステージは「Bootcamp」。

――Global Innovation Challengeは募集が7月末で終了しましたが、応募件数や応募者の国籍やアイデアはどういった傾向がありましたか?

杉迫:今回のGlobal Innovation Challengeのテーマは「テクノロジーを用いた強靭なインフラを作り、気候変動への対処を強化する」で、98ヵ国・地域から624件もの応募をいただきました。女性からの応募も全応募者の4分の1以上で、女性の活躍を推進するUNOPSとして、とても嬉しく感じています。応募されたアイデアは、持続可能な農業、廃棄物管理、エネルギー、水資源利用、生物多様性の保全、危機管理、ヘルスケア等に関するものが多くありました。SDGsの達成を目指した画期的なビジネスアイデアはもちろん、応募者自身が暮らす国・地域が抱えるリアルな問題を起点とするアイデアも数多く寄せられました。

――Global Innovation Challengeは今後、どのようなスケジュールで行われる予定ですか?

杉迫:11月初旬のGlobal Innovation Center Japan(GIC  Japan)開設と同時に4日間のBootcamp(集中研修)を開催予定です。Bootcamp最終日には参加者によるピッチ大会を予定しており、ファイナリストに選ばれた参加スタートアップ企業は、GIC Japanにおいて最大約12か月間のインキュベーション・プログラムに参加することができます。インキュベーション参加スタートアップは、UNOPSやソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(SSAP)による支援を受けながら、ビジネスアイデアに基づくソリューション(製品やサービス)の開発に取り組みます。実用可能性のあるソリューション開発に至った場合は、UNOPSとの実証事業に取り組むことができます。

小澤:杉迫さんのおっしゃる通りSSAPとしても、これから最終選考、そして選ばれたアイデアの社会実装と支援活動が続きます。ビジネスアイデアを持つ方々に向けて、引き続きSSAPのサポートをUNOPSに提供させていただく予定です。

UNOPSとSSAPの二人三脚で、アイデアと市場を結ぶ。

――UNOPSとSSAPそれぞれの視点で、今後のGICの活動、また協業の取り組みに期待することは?

杉迫:SSAPのみなさんには、GIC Japanにとっても初となるGlobal Innovation Challengeを一から創り上げていく過程で、まさに二人三脚で連携させていただいています。
GIC Japanの魅力の一つは、日本にありながら世界中のスタートアップが集う場となることです。グローバルな展開をされているSSAPと連携することで、世界から来るスタートアップへのプログラムの提供が可能になると考えています。
UNOPSは年間約1000件以上のプロジェクトを世界約80各国で実施しており、現地の方々が抱える問題の解決に日々、向き合っています。課題解決のスピードやスケールを加速するためにイノベーションの導入を必要としています。SSAPはその問題解決を可能にする世界レベルのテクノロジーを有しており、また、スタートアップ育成に関する専門的な知識やメンターをお持ちです。
この協業によって、UNOPSだけでは成し得なかった新しい形で、イノベーション領域におけるスタートアップを育成し、SDGsに取り組むアイデアを社会実装にまで発展させることを期待しています。

小澤:UNOPS・SSAPの協業で、世界に新たな価値が生まれることが今後の展開に関する最大の醍醐味です。UNOPSにとっては、このGlobal Innovation Challenge自体が新たな新規事業であり、新たなチャレンジです。UNOPSとSSAPがアイデアと市場を結ぶ触媒となり、最終選考を通過したアイデアを持つ方々にSSAPの起業支援、有機的なパートナー構築支援を行い、UNOPSが目指す新たな事業育成を実現したいと強く思います。

あらゆる人に起業の機会を。

Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から6年間で、50件以上の事業化検証、15の事業を創出(2020年7月1日時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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