2020.07.02
サステイナブルな世界の実現 ー国連プロジェクト・サービス機関とSSAPー

#01 協業のはじまり、目指す世界

ソニーは国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)と、2020年2月にイノベーション領域における協業契約を締結しました。UNOPSが開催する「Global Innovation Challenge」ではテーマを共同で決定し、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むスタートアップや企業の選定を共同で行っています。

今回は、UNOPS グローバル・イノベーション部門及びテクノロジー部門代表 ヨナス・スヴェンソン氏と、ソニー株式会社 Startup Acceleration部門 副部門長 兼 Open Innovation & Collaboration部 統括部長の小田島 伸至に、協業のきっかけや今後の展望についてインタビューしました。

世界初となる、イノベーション領域でのUNOPSと企業の協業契約の締結。

――まずは、ソニー・SSAPとUNOPSが協業契約を締結するに至った背景についてお教えください。

小田島:Sony Startup Acceleration Program(SSAP)のヨーロッパ拠点であるSSAP Europeの活動がきっかけでした。SSAP Europeはスウェーデンにあり、UNOPSの本部はデンマーク。互いに地理的に距離が近いこともあり、ヨーロッパ地域に限定した取り組みとして、スタートアップ育成の協業話が進んでいました。
そんな中2019年の夏、ヨーロッパ出張の際に、SSAP Europeのメンバーと共に私もUNOPSの投資部門の方との打ち合わせに参加。そこで初めてUNOPSの方とお話したのですが、互いの組織の目的や方向性、ポリシー等が合い、意気投合しました。「持続可能な開発目標である“SDGs”を達成するためには、そもそもそれを目指す事業自体がサステイナブルであるべき」という、とても本質的な話で盛り上がったのを覚えています。
その後、協業の話はスピーディーに進み、UNOPS事務局長 グレテ・ファレモ氏がソニー本社にいらして、ヨーロッパ地域に限定せずグローバルなスコープで、ソニーとしてイノベーション領域における契約を結ぶことになりました。

写真左:小田島 伸至 ソニー株式会社 Startup Acceleration部門 副部門長、写真右:グレテ・ファレモ氏 UNOPS事務局長

ヨナス:UNOPSは2019年から、最先端のテクノロジーを活用することでイノベーションを創出し、問題解決ができるスタートアップ企業を育成することを目的に、世界各地に「グローバルイノベーションセンター」(※)の拠点を設置しています。実はこの構想を開始したころから、世界的に活躍する企業や教育機関等と、ぜひ連携していきたいと考えていました。
そんな折、グローバルに通用するテクノロジーやこれまで培ってきたノウハウを持っているソニーと接点を持ち、協業をさせていただくことになりました。こういった連携・協業は、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を実現する取り組みでもありますね。

※世界15か所で設置を予定しており、2020年7月現在、アンティグ・バブーダ、スウェーデンの2ヵ所に拠点があり、神戸は3か所目の拠点として2020年夏以降に開設予定である。
Sony Startup Acceleration Programは 持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

タイミングは、今。互いのノウハウやデータを共有し、SDGsに最速で取り組む。

――UNOPSがSSAPとの協業を決めた一番の理由は何だったのでしょうか?

ヨナス:UNOPSとソニーの協業は、お互いにベネフィットがある、Win-Winなものになり得ると確信したからです。
UNOPSはこれまで、国連やパートナーが平和構築や人道支援活動をスムーズに進められるよう、様々なプロジェクトを行ってきました。一方のソニーはこれまで、SSAPを通じてスタートアップの創出と事業運営の支援を数多く行い、社内外で成果を挙げてこられました。そんな私達が互いのデータやプロセス、ノウハウの共有することで、よりスムーズに「SDGs に取り組むスタートアップの選定・育成」を行うことができるのは確かです。例えば、協業によりソニーは、世界各国の現地の方々が抱える問題に対してリアルタイムにアクセスできるようになりましたし、UNOPSはスタートアップ育成に関する専門的な知識やメンター、また新たなテクノロジーへのアクセスが可能になりました。

――ではSSAPはなぜ、UNOPSとの協業を決めたのですか?

小田島: SSAPがUNOPSとの協業を決めた理由は大きく2つあります。1つ目は、UNOPSとソニーはお互いに歴史あるグローバルな組織でカバレッジやブランドの親和性が高いだろうと思ったこと。協業開始のタイミングで、既にソニーはSDGs やESGに真剣に取り組んでおり、UNOPSがスタートアップ文脈での活動を開始される“今”がまさに協業すべき時だと考えました。
2つ目は、グレテさんやヨナスさんを始めとするUNOPSの事務局の皆さんが、真剣に事業創出を狙っていらっしゃることをひしひしと感じたことです。これまで社内外で多くのスタートアップの創出と事業運営を支援してきた身としても、UNOPSの皆さんの姿勢に非常に共感しました。

地球規模・中長期の視点で、スタートアップを創出していく。

――協業の第一歩として、スタートアップや企業を支援するプログラム「UNOPS Global Innovation Challenge」が開始しましたね。

小田島:今回、「Global Innovation Challenge」のアイデア募集のテーマ『テクノロジーを用いた強靭なインフラを作り、気候変動への対処を強化する』は、まさにUNOPSと協議を重ね決定しました。気候変動はいま世界的な課題で、国境の垣根を越え、最新技術を使い、解決していかなければなりません。そういった面でも、非常に有意義なテーマとなっていると思いますし、これから集まってくるアイデアを楽しみにしています。

UN Photo/Ilyas Ahmed(洪水の写真)
UN Photo/Ariane Rummery(海面上昇の写真)

ヨナス:2020年6月末時点で、既に世界各国の約300組の方々からの応募をいただいています。応募地域としてはアフリカ圏からの応募が約7割、続いてアジア圏からの応募が多くを占めています。テーマに関しては、持続可能な農業や廃棄物管理、生態系の保護等に関して多くのアイデアが寄せられています。ぜひ日本の皆様にも積極的にご参加いただきたいです。(Global Innovation Challengeの詳細についてはこちらをご覧ください。)

――今回の協業を通じUNOPSとSSAPは、それぞれどのようなことを目指していますか?

小田島:SSAPが目指しているのは、スタートアップを育成し、新しい事業をスピーディーに生み出すことです。SDGsに取り組む「ソリューション」と、それを持続させる「ビジネスモデル」をいち早く見出し、素早く育成することで、社会課題の解決を早めたいと考えています。また、UNOPSという歴史・信頼あるグローバル組織と組むことで、地球規模・中長期の視点で、スタートアップにとっての成長機会とチャンスを創出していきたいです。

ヨナス:UNOPSはソニー・SSAPとの協業を通じ、UNOPSだけでは成し得なかった新しい形で、イノベーション領域におけるスタートアップの選定・育成を行っていきたいです。また、才能と意欲のある人材を発掘し、SDGsに取り組むアイデアを社会実装にまで発展させることを目指しています。今はまだ、この大きな取り組みの中の、一つの旅が始まったばかりです。

写真左:ヨナス・スヴェンソン氏 UNOPS グローバル・イノベーション部門及びテクノロジー部門代表、写真右:小田島 伸至 ソニー株式会社 Startup Acceleration部門

>>Global Innovation Challenge応募はこちらから

 

あらゆる人に起業の機会を。

Sony Startup Acceleration Programはソニーが手がけるスタートアップの創出と事業運営を支援するプログラムです。2014年から6年間で、50件以上の事業化検証、15の事業を創出(2020年7月1日時点)。それらを通じて培った経験やノウハウを生かし、アイデア出しから事業運営、販売、アライアンス・事業拡大に至るまで総合的に支援する仕組みを整備し、スタートアップ支援サービスとしてみなさまにご提供しています。

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